Fate/stay night
1186話
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強化なしで序盤はセイバーと戦っていたんだから、この世界の人間は色々と凄い。
「それで、大聖杯を処理するってのはどうするんだ? 出来ればあまり手荒な真似はしないで欲しいんだけど」
俺の方へと視線を向けて尋ねてくる衛宮に、小さく首を横に振って口を開く。
「手荒というか……正直、一番簡単で確実なのは、柳洞寺のある円蔵山をそのまま全て消滅させてしまうってのが手っ取り早いんだが」
フレイヤを使って円蔵山そのものを消滅させてはどうかという言葉に、衛宮が頬を引き攣らせて頭を下げてくる。
「頼むから、止めてくれ。一成達の財産的な意味でも問題だし、何より柳洞寺に墓のある家も多いんだ」
ああ、なるほど。……あ、外道な方法を思いついた。
衛宮切嗣の奥の手である、起源弾。それは衛宮切嗣の骨から作られている物なんだから、墓に納骨されているのを使えば……いや、駄目か。何らかの魔術的な処置もせずに火葬されてしまっている以上、多分起源弾には出来ないか。
「となると、大聖杯のある場所だけを限定して消滅か。一応何とかなると思うが」
ラグナロクもそうだし、フレイヤだって効果範囲を設定出来る以上は何とでもなる。
ただ、その辺の調整はしっかりしないと、恐らく大聖杯のある空洞が崩れて、連鎖的に山そのものが崩れる可能性もあるか。
「……頼む。本当に頼む」
俺が本気で円蔵山を消滅させると思っているのか、衛宮が何度も頭を下げてきた。
まぁ、そうだな。俺としても迂闊に破壊をもたらしたい訳じゃないし、衛宮の言う事も聞いてもいいだろう。
柳洞は嫌いじゃないし。
「じゃ、取りあえず話が決まったって事で、日中は自由行動にしましょ。衛宮君、どこか空いてる部屋ない?」
「は? 部屋なら昨夜の……」
そこまで告げて、俺達が昨夜どのような行為をしたのかを想像したのだろう。衛宮の顔が赤く染まる。
それを見ていた凛もまた、何を想像されたのかを理解したのか顔を真っ赤にしていた。
「ほら、いいからどこか部屋はないの? 寝不足なんだから、夜に備えて眠っておきたいのよ」
「あ、衛宮。あたしも頼む。アークと一緒に寝ると体力の消耗が激しくてね」
「……すぐ、用意する……」
綾子の言葉により一層頬を赤く染め、衛宮はそう呟きながら俺の方へとどこか憮然とした視線を向けるのだった。
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