第三話 その機体、艦載機にして白い悪魔
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初めてのビールは?」
「これが美味しいのかと言う事はよく分かりませんが、口に合わないと言う事はありません。」
「なら良かった。」
そう言うと、提督は枝豆を1つつまんだ。
「さて、そろそろ教えてくれるか?私がこの世界に来てから、宇宙世紀がどうなったのかを。」
「はい。」
リーンホースはコスモバビロニア戦争の終結後に起こった“木星戦役”、そして彼女が戦った“ザンスカール戦争”について説明した。
「そして、私は敵の艦隊の旗艦に特攻を仕掛けて沈みました。なので、ザンスカール戦争がどのような結末を迎えたのかは知りません。」
「リーンホースの最期って、壮絶だったっぽい?」
「そうだね。でも、その話は北上や58の前でしない方がいいよ。あの2人は特攻に嫌な思い出があるから。」
「そうなのか?なら、気をつける事にする。」
時雨の注意を聞いて、リーンホースはビールをもう一口飲んだ。
「しかし、連邦もついに衰退する時が来たか。」
「残念ですか?」
「いや、永遠に栄え続けるものなどは無い。だからその辺りは仕方ないとは思う。だが、軍の代わりに市民が戦争をしているとはどう言う事だ!!」
そう言って提督は拳をテーブルに打ち付けた。
「守るべき市民に代わりに戦争をさせるなど、軍人として存在する意味が無いではないか!!」
「・・・耳が痛い話です。」
「いや、別に君を責めている訳では無いぞ。」
「もう。提督のせいで雰囲気が悪くなっちゃったじゃない。」
村雨が提督を責めた。そんな中、リーンホースは言う。
「ですが司令、覚えておいて下さい。連邦軍にもゴメス艦長やムバラク提督のような方々が残っていた事を。」
「・・・分かった。怒鳴って済まなかったな。」
「いえ。連邦軍の全体としての有様は司令がお怒りになるのももっともな状態でしたから。」
「それでも、志を失わなかった者が居たのは良かった。さて、ここから先は楽しい思い出話としよう。何かあるかね?」
「そうですね・・・」
リーンホースは“艦”としての思い出に、何か楽しい事が無かったか思い浮かべた。
続く
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