1部分:第一章
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そうだよ、それだよ」
皆が不思議がっているのはこのことだった。早輝はとにかく滅茶苦茶な量を食べている。しかし痩せているのだ。力士の如く食べていても痩せている。皆このことがとても気になるのだった。
「何であれだけ食ってあんなに痩せてるんだ?」
「ちょっとそれ謎だよな」
「絶対何かあるよな」
「なあ」
クラスの男連中は学校帰り通学路にある吉野家において牛丼特盛りを食べながらあれこれと話をしていた。彼等が横に並んでその牛丼を食べているカウンターの後ろには早輝が満面の笑顔でいた。牛丼特盛り十杯を見事食べ終えたという記念写真となっていた。
「普通あそこまで食ったらな」
「太る太る」
「間違いない」
皆一斉に言う。
「けれどあいつ痩せてるよな」
「全然太る様子ないよな」
「何でだ?」
皆それが不思議だった。考えてみればおかしなことだ。それで考えていたがそのうちの一人がふとこんなことを言い出したのだった。
「ひょっとしたらな」
「ああ。ひょっとしたら」
「何だ?」
「食い物に関係あるんじゃねえのか?」
この彼はいぶかしむ顔で仲間に対して言ってきた。
「やっぱりよ。食い物によ」
「食い物かよ」
「ほら、よく言われるだろ」
彼は持論を展開しだした。
「野菜食ってると太らないってな」
「ああ、まあな」
「そう言われるよな」
「こんにゃくとかカロリーないしよ。それ考えたらよ」
こう仲間に対して話すのだった。話ながらも牛丼は食べ続けている。しかしその彼に対して仲間の一人が目を顰めさせて言うのだった。
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