黒いボールの陰謀!
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ラバンを降りたのだった。
「うわぁ…、凄く綺麗だねぇ…」
心美がそう呟くのもしょうがない。本当に綺麗だ。
辺りには満開の花が咲き乱れ、俺の鼻に甘い匂いが漂っている。
俺が花に見惚れ、景色に魅入っていると瞳子監督の声が響く。
「やっと奈良に着いたわね。総理が誘拐されたシカ公園はこの先よ」
「なんだかピリピリした空気だな…」
「警備員が沢山いるな。それなのにエイリアを捕まえられなかったのか」
「…まあ、あいつらのスピードなら可能だろうな」
「よし!まずは宇宙人の手掛かりを見つけなくちゃな」
「そうね。捜査の基本は現場からよ。シカ公園に行ってみましょう」
シカ公園に入る為の階段に差し掛かった時、そこに警備員が一人立っていた。
「ここは立ち入り禁止だ。関係者以外は控えてもらおう」
負けじと円堂は警備員に話し掛ける。
「いや、あの…。俺たち総理大臣が誘拐されたって聞いて…」
「その通り。だから事件について我ら【SPフィクサーズ】が調査している。君たち子供が首を突っ込むことじゃない。さあ帰りたまえ」
「えすぴーふぃくさーず…?なあ、えすぴーって何のことだ?」
「円堂…。それ本気で言ってるのか?」
俺がそう聞くと円堂は首を縦に動かす。
俺は少しため息をつきながら円堂に話す。
「…セキュリティ・ポリス。偉い人を守るプロのことだな。…でもそれがシカ公園の入り口を塞いでいるとは…。この先に手掛かりがあるのは間違えなさそうだな」
「でも簡単には通してくれそうにないな」
「そうッスねぇ。宇宙人ももうここにはいないみたいッスし…。宇宙人の手掛かりは他で聞いてみた方が早いんじゃないッスか?」
「…なんだと?」
そんな壁山の言葉にSPが反応した。
「今、宇宙人と言ったのか?なぜそのことを知っている!答えろっ!!」
SPがそう叫ぶと階段の上から、桃色に近い髪の色をした少女が駆けて来た。
「どうかした?」
「塔子さま!」
そんな少女に円堂が話し掛ける。
「誰だお前?とにかくここを通してくれよ!エイリア学園の手掛かりを捜しているんだ!」
「エイリア学園だって…?あんたどうしてその名前を?」
「あんな奴らを放っておくわけにはいかないんだ!通してくれよっ!」
「…フン!知らないよ。宇宙人?何のことだか。そんな奴さっさとつまみ出しなよ」
少女はそう話すと、後ろを向いて階段を登って行ってしまった。
「ええっ!」
「ムキーッ!なんでやんすかあいつ!腹が立つでやんす!」
「今の顔もしかして…?」
鬼道は心当たりがあるのか、何か考えているみたいだ。
「さあ、子供は帰れ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ