暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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ターン》》がどこかなのは、推測によるしかないのだが……、昌一がガンゲイル・オンラインを始めたのは恭二に誘われたかららしいね。昌一には他の多くのSAO生還者に見られたVRワールド拒否症状はなかったものの、始めの頃はそれほど熱心にはしていなかったそうだ。フィールドに出るよりは、街でほかのプレイヤーを観察して、殺し方を想像するのが楽しかった、と彼は言っている。……だがそれが変わったのは、リアルマネー取引(RMT)で《透明化できるマント》を手に入れてかららしい」
「RMT……」

 詩乃は思わず声に出していた。死銃が纏っていた《メタマテリアル光歪曲迷彩》の機能つきのぼろマントは、恐らくボスモンスターだけが超低確率でドロップするレアアイテムだろう。……あの世界で手に入れたへカートを含め、見てきたどんなレアアイテムよりもプライスが付くだろうことは想像に難くない。

「調べた所によれば、全身を包み隠してくれるあのマントは、日本円で30万程。死神が使っていた部分透明化装置、ステルス迷彩は25万程だと訊いてるが」
「うん、その通りだよ。……昌一は父親から月に50万という生活費を与えられていたようだから 出来たんだろうね」

 金銭面は、大型総合病院の御子息という事もあって不自由しなかった様だ。だが、極々一般人である詩乃や和人にとっては、驚愕の金額なのだ。……一般人とは言えないかもしれないが、勿論 隼人も同様。金銭感覚については 常識人であるから。

「つまり、あの聞こえないライフルやレア金属素材のエストックもリアルマネーで買った、という事か……」
「課金ブーストは、あまり好まない事ではあるんだが……、確かに 手っ取り早く 相応の力を手に入れるのには 近道だからな」

 和人と隼人はそう言っていた。和人は、確かに隼人であればそれを言いそうなのは判っていた。もうすでに働いている身であり、不自由しなかったのは隼人も同じだろうけれど。それでも、頂点を極めようとなれば、それだけでは足りないのだから。ベータテスト時代でも、隼人の、リュウキの力は一線を遥かに凌駕していたから。

「SAOにRMTがなくて良かったな。それにアイテム課金とか」
「……だな。実際にあったらどうなるのか。……あまり想像したくない」

 容易に、犯罪ギルドに力を与えるツールなのだから、背筋が凍る思いだから。

「……つまりだ。あの透明マントがあったから、アイツは PK(殺人)に走った。……その切欠になったという事だったのか」
「そうだね。それを手に入れてから、街中でストーキングする技を磨いていたそうなんだ」
「なる程。それで総督府の端末から情報を得た、という事か。知りうる事ができる個人情報を入手する事が出来た、か」

 結論を言う和人に菊岡は頷いた。

「今も昔
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