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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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明らかに制服姿の学生には場違いな高級喫茶に身体を縮めながら、ぴかぴかに磨かれた床板の上を歩いた。
手前側に 和人が そしてその横に椅子が2つ並べられており 和人の隣に隼人、詩乃の順に座った。
「さ、2人とも 何でも頼んでください」
と言う菊岡の言葉に促される様にメニューを開いて視線を落とした。
明らかに唖然としているのは、詩乃だ。全てのメニューは、普段気軽に学生が利用する喫茶とは訳が違う。軽食、デザート、その全てがおしなべて四桁の数字が並んでいるのだ。
「大丈夫だ。……多分、領収書とって 支払いは税金だ」
隼人がそうツッコミを入れると、何か変な所に飲んでいた珈琲が入ったのだろうか、菊岡はむせていた。
「えほっ! げほっ! は、はぁ……、ほんとに君たちは……」
隼人と和人の2人を交互に見て、ため息を吐いた。多分、和人にも同じ様な事を言われたのだろう事が判る。
「当然の反応だよな? 和人」
「当たり前だろ。国民の血税使うんだろうから」
2人ともが納得をしていた所で、詩乃もおずおずとしながらも、メニューを選んでいた。
「じゃ、じゃあ……この、レアチーズケーキ・クランベリーソースと……、アールグレイを」
――……うわぁ、合計2、200円も。
詩乃は、内心青ざめながらオーダーをすると、隼人も続く。
「ん。オレンジとレモンのバターケーキ、……ん、紅茶は カモミールで」
やや控えめだなぁ、と和人は思ったが 別に気圧されている様子も無い極々普通にしている様子を見て 常連さんなのだろうか? とも思っていた。後で聞いてみたら違うみたいだが。
そして、オーダーを終えた所で、黒縁眼鏡の男、菊岡がスーツの内ポケットから黒革のケースを取り出し、1枚抜いた名刺を詩乃に差し出した。
「はじめまして。僕は総務省総合通信基盤局の菊岡と言います」
それを聞いた隼人は、「……そっち側か」とボソリと呟いていたんだが、当然詩乃はそんな事、聞いてはいない。穏やかなテノールで名乗られ、詩乃は慌てて名刺を受け取り、会釈を返した。
「は、はじめまして。朝田……詩乃です」
言った途端に、菊岡と言う男は口元を引き締め、ぐいっと頭を下げた。
「この度は、こちらの不手際で朝田さんを大変な危険に晒してしまい、本当に申し訳ありませんでした」
「あ、いえ…… そんな……」
再び慌てて詩乃が頭を下げ返すと 和人が混ぜ返す様に口を挟んだ。
「しっかりと謝ってもらったほうがいいぞ。菊岡サンがもっと真剣に調べてれば、オレもシノンもリュウキもあんな目に遭わなかったんだからな」
「ん、同感だ。……菊岡サンも渚さんの様に誠意を見せつつ対応をしてくれていれば、……だがな」
「
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