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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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隼人は、駐車場へとバイクを転がし、そして見覚えのあるバイクの横へと駐車させた。
「……あ、キリトの、っと。和人の方が早かったね」
詩乃は、そのバイクが誰のものかを思い出して、そう言っていた。アバター名を口にしてしまったのは、そちら側の方が沢山使っていたからだ。
「……まぁ、アイツも少しする事があったから、後でここで合流、と打ち合せをしていたんだ」
隼人の態度は、何処か上の空の様な感じがした詩乃だったが、それは 恐らくキリトとリュウキの三輪バギー・カーチェイスの結果の事を 少なからず考えているのだろう、と詩乃は勝手に納得をしていたから、そこまで細かくは聞かずに、ただ頷いていた。
そして、簡単な談笑の後に 手早く喫茶店のドアを押し開けた。そして 途端に白シャツに黒蝶タイのウェイターが深々と頭を下げられて僅かに狼狽をしていた。
「お二人様ですか?」
一糸乱れぬ佇まいでそう訊いたウェイター。
――……これでは、まるでデートではないか。
と、ウェイターに『お二人様』と言われた後に、更に泡食った所で、店の奥から、まるで空気を読むつもりも無い男の大声が聞こえてきた。
「あっ! よーやく来たね! リューキくーん! こっちこっち!」
どうにも、この店の雰囲気にはまるで似つかわしくも無い大声だ。それを見て 軽くため息を吐くのは隼人。確かに、《リュウキ》と言うキャラネームは 最早自分の一部とまでいえる程に使用してきたものであり、呼ばれる事に違和感はないのだが、分別はわきまえてるつもりだ。……理解出来る者は恐らくはいないだろうと思えるが、それでも こんな公衆の面前で、注目をあびつつ、他人のキャラネームを大声で言う奴の気がしれない。
「はぁ……、
アレ
(
・・
)
と待ち合わせなので」
「はい。畏まりました」
ウェイターは一礼すると そのまま 規則正しい、模範とはコレ、といえるであろう姿勢で 立ち去っていった。
同じ様にスーツをつけているとは言え、まさに雲泥の差だ。黒縁メガネを掛けた背の高い男が1人、何やらニコニコと笑いながら、隣でこれまた苦笑いをしている少年に声をかけていた。
「いやー、それにしてもよく判ったねキリトくん。 僕には聞こえなかったよ」
「……当然ですよ。オレは何度もりゅ、……っと、隼人とはツーリングしてますから。確かに隼人のは静かですが、あの
排気音
(
エグゾース・ノート
)
はよく判りますよ。独特な音ですから」
普通は判らないだろう、と思える事を淡々と言ってのけるのは、早めに到着をしていた和人だ。何が当然なのか判らないが 確かに和人とは一緒にツーリングをしているから、大体判る事は判るけど。
隼人は ややため息を吐き 詩乃は 苦笑いをしながらも
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