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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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由…? わたしが、怒る……?」
ますます意味が判らない。とその時、隣でいた和人がやはり 何処か張り詰めた声を上げていた。
「シノン。……訊いてくれ。まず オレは君に。オレ達は君に謝らなければならないんだ」
「………」
和人と、そして 隼人は頭を下げていた。
「オレは、オレ達は、君の昔の事件のことを、ここの皆に話したんだ。……どうしても、皆の協力が必要だったんだ」
「えっ……!?」
和人の言葉を訊いて、いや もう後半部分の声は聞き取れなかった。意識には届かなかった。
――知ってる!? あの郵便局の事件のことを、11歳の詩乃が何をしたのかを。
思わず、駆け出して、この店から飛び出しそうになるのだが、それは叶わなかった。詩乃の手を握り続ける
モノ
(
・・
)
があったから。
「詩乃さん。実はキリトくんとリュウキくんを含めた5人は、昨日の月曜日。学校を休んで、……市に行ってきたんです」
「――――!?」
驚き、どころではない。
詩乃は、数秒間、明日奈が何を言っているのか、まるで理解出来なかった。
その後に その明日奈から出た地名は、間違いなく自分自身が暮らしていた。中学校卒業まで暮らしていた町の名前だ。つまり、あの事件のあった土地であり、忘れたい、二度と帰りたくない場所だった。
――ナゼ? ドウシテ?
そんな疑問だけが頭の中に渦巻いた。
「なんで……そんな、ことを……」
何度も何度も首を左右に振る。
もう、握り続けているモノも全て振り払って、この場所から逃げ出そうとしたのだが、それは出来なかった。
それは心情的に、ではない。物理的にだ。
掴まれた手は、強力磁石のように離れない。やがて、その手は片手から両手となり、詩乃の手を包み込んだ。
「訊いてくれシノン。大切な事、なんだ」
「なに、なにが……たい、たいせ……」
「シノン。……詩乃は、会うべき人にあってないんだ。……聴くべき情報を聞いてないんだ。オレも、そうだった。でも、気づかせてくれたから、心から強くなることが出来たんだ。これは詩乃自身を傷つけてしまうかもしれない。そうも思った。だけど…… そのままにしておけなかった。だから、新聞社のデータベースで事件のことを調べて、電話じゃ判って貰えないと思ったから、皆にも協力してもらって、直接事件のあった郵便局までいったんだ」
詩乃の傍にいる隼人が、そう言い聞かせていた。
説明を始めた和人も、思わず立ち上がって、詩乃に言い聞かせたかった。
「だから、訊いて欲しいんだ。詩乃。話を……訊いて欲しいんだ」
隼人が言っている言葉の意味。和人が言っている言葉の意味。今の詩乃には、理解することが果てしなく難しいことだっ
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