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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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た手。
それを見て、BoB大会で 隼人の手を掴む前の自分に逆戻りをしてしまった感覚がした。
トモダチと言う言葉が胸に沁み落ちた途端に、そこから焼け付くような渇望が湧いてきたのも感じた。……そして、痛みも。
あの時
(
・・・
)
は、隼人が助けてくれた。でも、それ以外では何度も何度もあったのだ。
望み、そして、裏切られる。戒めとして刻み込んだそれが、中々消せない。
隼人を欲した自分の気持ちに嘘をつけず、助けてくれたことも相余って、隼人の手を握ることは出来た。……だけど、それ以上に踏み込めない自分もいたのだ。
同じ闇
(
・・・
)
を持っていたからと言う理由も恐らくある。
友達になりたい。
この場のいる皆と。……温かい空間。その一部に自分もなりたい。普通の女の子のように。
でも、そうなればいつか彼女たちも知るだろう。自分自身がかつて、人を殺したことがあると言うことを。……自分の手が染み付いた血で汚れていることを。
だからこそ、この温かい空間が、豹変してしまうことが何よりも怖い。……嫌悪の色へと代わるのが本当に怖い。これ以上、自分に踏み込むことは出来ない。もう許されない行為なんだ。
そう思ってしまった途端に、隼人に対する想いも どす黒いモノへとかわろうとしていた。咎人である自分がそんな、温もりを味わう資格などあるのか? と。 如何に同じ様な過去を持った者だとしても、彼は、彼らは 沢山の人たちを守る為に、立ち上がり、傷つき、それでも戦い抜いた勇者。……英雄だ。
だが、自分は違う。……母親を守ろうとした、と言えばそうだが、それでも 絶対的には違うんだ。守ろうとした母親も 恐怖で顔を歪め、そして その場にいた銀行員の人たちも同じだった、から。
……そこには 笑顔なんかない。助けてくれてありがとう。と。勇者様に救われた人たち、の様なことは一切ない。
――もう、合わない方がいいかもしれない。……いや、その方がいい。
その想いが頭の中に過ぎった時、このまま帰ろうと思った。友達になって、と言う言葉の温度だけでも、温めてくれるだろう。隼人への想いは依存である。……これ以上縋ってはいけない。
だから、ごめんなさい。と言おうとしたその時――。
「シノン」
突然、電流が走った気がした。
声をかけたのは隼人だった。……そして、和人も真剣な表情で、それでいて少し複雑な想いも同居した顔で、決して詩乃から顔を逸らせなかった。
「あのね。朝田さん。……詩乃さん。今日 この店に来てもらったのには、もう一つ理由があるの。……もしかしたら詩乃さんは不愉快に感じたり……怒ったりするかもしれないけど。それでも、どうしても、どうしても、あなたに伝えたいことがあるんです」
「り、理
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