暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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物覚えの良さはオレがよく知ってる」

 もう一発げんこつが必要か? とリズが考えたが、そうそうに隼人が話を開始した為、未遂で終わり、BoB大会での出来事、そして 菊岡に訊かされた事件概要を続けた。
 
 言われなくても、何か違う所があったり、足りない部分があったりしたら補填をしようとは思っていたのだが……、和人の言うように、全くそれは必要なく 詩乃も同様だった為、今度は詩乃と和人の2人が苦笑いするという珍しいシーンとなった。

「――こんな所、だな。まだ 公にはなっていない。……他言無用で頼むよ」

 話を締めくくると、隼人はややため息を吐いて座り込んだ。

 時折、玲奈の方を見たのは、説明に嘘偽りないことを認識させる為、だったりする。他の人にはニコニコ、と笑っている玲奈なのだが……、どうしても、詩乃こと、シノンの話になると、少し膨れてしまう。
 その辺は、里香が茶々を入れて楽しむのがデフォルトだったりした。

「はぁ、っとは言っても、リュウキといい、キリトといい。あんたたち、ってよくよく巻き込まれ体質ね。あたしらなんか、目じゃない位に」
「……好んでる訳ではないがな」
「同感。だけどオレたちの因縁だってあったしな」
「あー……そっか。――あーあ、あたしもその場にいたかったな。死銃って奴に言いたいこと、山ほどあるんだし」
「……そう、だね。うん。間違ってることをしっかりと面向かって言わないと、とは思う。たとえ通じなくても」

 里香や玲奈の話を訊いて、隼人は軽く首を振った。

「あいつが最後の1人。って訳じゃない。まだ 名前も判明してないが……死神だっている。あの世界に魂を歪められた人間は、恐らくまだまだいるはずだ」

 隼人の言葉を訊いて、和人も思わず頷いた。

 場に一瞬だけ沈んだ空気が流れたのだが、明日奈が柔らかな微笑みで打ち消した。

「でも、魂を救われた人だって、いっぱいいると思うよ」

 その一声に続く形で、手をあげるのは玲奈だ。

「うん、わたしも立候補! 救われたー、と言う意味じゃ、ね?」
「うんうん」
「へーへー、ほーんと、仲の良い姉妹ですこと、いろーんな意味で」

 里香が茶々を入れるのだが、救われたと言う意味では強ち自分自身も無関係と言うことではない。心の温度を知れたのだから。……だけど、それは自分の中だけのものだ。

「……それに。わたしは、団長のことを擁護するつもりはないけど……それでも、あの二年間は否定したり後悔したりは、したくないのが、本音かな」
「あ、わたしが言おうと思ってたんだけどなー」
「早い者勝ちだよ? レイ」

 楽しそうに笑うその会話は、完全に沈んだ空気を打ち消してしまった。ゆっくりと頷くのは、男性陣。

「……オレも、同感だ。死神
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