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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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開く。
からん、という軽やかな鐘の音に続いて、スローテンポなジャズが流れ出てくる。香ばしいコーヒーの香りに誘われるように、詩乃は店内に足を踏み入れた。オレンジ色の明かりに照らされた艶やかな板張りの店内は、狭いが何とも言えない温かみに満ちていて、身構えていた方からすっと力が抜けた。
「いらっしゃい」
見事なバリトンでそういったのは、カウンターの向こう側に立つ、チョコレート色の肌の巨漢だ。歴戦の兵士といった感じの相貌とつるつるの頭は迫力があるが、真っ白い襟元に結んだ小さな蝶ネクタイがユーモラスさを添えてい。
店内には、3人の先客がいた。学校の制服を着た女の子たちが座っており、その制服から、和人や隼人と同じ学校なのだという事が判った。
「おそーい!」
第一声が、クレームである。
肩口にまで伸び、僅かにうちはねをつけた少女が、2人に向かってそう言っていた。
「ははは……、悪い悪い。クリスハイトの話が長くてさ」
「そう、だ。ツケは アイツに払わさしてくれ」
ため息と苦笑いが混じりあった返答をする2人。
「ったく! 待ってる間に、アップルパイふた切れも食べちゃったじゃない。太ったら、責任とってもらうからねー!」
「横暴だ」
「な、なんでそうなるんだ」
もう片方、僅かに茶色がかかったストレートヘアを背中の中程まで伸ばした女の子が、やりとりをニコニコと見ていて、その隣にいる同じく茶色がかかったストレートヘアを、さっきのクレームをつけていた女の子と同じ位の位置まで伸ばした女の子も 同じく笑っていた。
顔立ちもよく似ているので、姉妹である事はひと目で判るというものだ。
「それより、早く紹介してよ。キリトくん。リュウキくんも。……あ、でも レイは、もう知ってるみたいだけどねー」
「お、お姉ちゃん……。で、でも ひさしぶりだね? 詩乃さんっ」
「えと……うんっ」
病院については、アスナも当然ながら知っている。
大事無い、と言う事もあり、部屋にまでは入らずに 玲奈と隼人を2人きり? にさせたから 詩乃とは出会って無かったのだ。……後で色々と訊いたのは別の話。
尚、説明をしておくが 確かに 色々と複雑な感情に見舞われたのは当然であり、色々とあったのだが、基本的に玲奈はしっかり者であり、そこは姉譲り。そして、面倒見も良い。そこは兄譲り。である。
玲奈も涙を流したのだが、それでも 自分以上に泣き続ける詩乃をしっかりと支えた。犬猿の仲、泥沼の……というわけでは決して無いのである。
「そうだったな」
「ん。説明はキリトに任せる。……苦手だ」
「オレだって得意って訳じゃないって!」
「……大丈夫だ」
「何が大丈夫なんだよ!」
今度は 2人が
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