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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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加えることにしたんだ。昌一、恭二、死神さん? ともう1人を。ええっと、名前は《金本 敦》19歳。昌一の古い友人で……と言うより」

 菊岡は、そこまで言い終えた所で 隼人と和人の2人をちらりと見た。

「SAO時代のギルドメンバーだったそうだ。キャラクター名は……《ジョニー・ブラック》。聞き覚えは……」
「あるよ」
「………」

 2人が頷いた時だ。
 詩乃は、仮想世界では、感じる事が多かった、感覚がこの場であっても機能した。
 
 狙撃手(スナイパー)である故に、その感覚を、相手の気配を察知し 自らは悟らせない境地を磨き続けていたから、この世界ででも 使えたのかもしれない。
 
 そう、言うなら……《殺気》。


「《ラフィン・コフィン》で、ザザとコンビを組んでた毒ナイフ使いだ。……向こうの世界ででも何人も……」

 和人があの世界ででの事を思い出し、口にしていた。
 だが、隼人は違う。残ったカモミールが入ってるカップを握り締めていた。その手は異常なまでに震え、割ってしまうのではないか? と思える程だ。

「牢獄よりも地獄。……オレの責任だ」

 ゆっくりと口に出したのは自責の念。殺気は薄れ、果てしなく後悔だけが残され 場に伝わった。その瞬間、詩乃は隼人の腕を強く掴んだ。
 
 そして、隼人の、そして和人の眼を見てゆっくりと左右に首を振る。

 それだけでも十分に伝わった。泣き笑いとも思えた2人の表情は、やがていつも通りに戻る。 ただ、違うのが詩乃の手に伝わる隼人の温もり。

 それだけは、中々治らない。……暖かかった彼の温もりは不自然なほどに冷たくなっていた。






 そして、そのジョニー・ブラック事、金本敦がまだ捕まっていない事を説明された。凶器となる薬品も注射器も携えたまま、逃亡している、と言う事を。

 だが、捕まるのも時間の問題と菊岡は説明し、隼人もそればかりは頷いた。《通称S2システム》東京都内では至る所で設置された自動識別監視カメラが人物の顔を解析し、手配犯を見つけると言う《眼》だ。開発の一旦を引き受けていたと言う隼人も強く頷いていた。

――オレンジ(犯罪者)プレイヤー。……レッド(殺人)プレイヤーは圏内には入れない。

 この現実世界においてのシステムになり得る事だから。


「は、はは……正直 ぞっとしない話だな」
 
 悪い事をするつもりは毛頭ないのだが、四六時中監視されてるんじゃないか? と言う感覚が和人を唸らせ、菊岡も頷いていた。



 そして、全てを伝え終えた後に、詩乃が口を開いた。

「……あの、新川くん。恭二くんは、これからどうなるんですか……?」
「うーん……」

 菊岡は、眼鏡を指先で押し上げてか
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