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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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のは全イン、ステータスタイプが非AGI型なんです」
「ほう……? それはどういう……?」
「新川くん……いえ、恭二くんは、純粋なAGI一極ビルドで そのせいで、プレイに行き詰ってました。多分、他のタイプ……特にSTRに余裕のあるプレイヤーにはと複雑な感情があったと思います」
「ふむぅ……」
菊岡は絶句し、しばしタブレットの画面を見つめた。
「つまり、動機は何から何までゲーム内に起因するもの、ということですか。それは、検察側も起訴には苦労するだろうなぁ……。しかしなぁ……」
信じられない、と言う様子をみせる菊岡だったが、和人は首を振り、嘆息気味の言葉を発した。
「いや、あり得ることだよ。MMOプレイヤーにとって、キャラクターのステータスと言うのは絶対の価値基準だからな。悪戯のつもりで、ウインドウ操作中にプレイヤーの腕を押して 操作ミスをさせたせいで、何ヶ月も殺し合い続けている……っと、勿論ゲーム内だけど、それだけの大喧嘩になった奴らを知ってるよ」
「ん。そうだな。……それに他人よりも上に立ちたいと言う願望。何処かでは必ず持ち合わせているモノだ。それを、その行為で邪魔されたと、そう思ってしまえば、簡単に感情を拾える世界だ。爆発する事は想像に難しくない」
2人の話。
それは、詩乃にも深く納得できる話だった。だけど、まだよく判ってない菊岡は再び左右に首を振った。
「これは、検察官や弁護士、それに判事と裁判員もいちどVRMMOにダイブする必要がありそうだな。いや――法整備までも考慮すべき時、かな。……ま、それは我々が考えることではないがね。……えーと、次は何だったかな……」
菊岡は、タブレットを操作しながら、確認をした。
「そうそう、今回BoBでの標的に関してだけど、前回までとは違って、BoB大会中の計画実行には、大きな障壁があった。ゲーム内の《死銃》とゲーム外の実行役との間で連絡が取れないので、双方の射撃時間を一致させるのが困難だったんだね。それを一応解決したのが、ゲーム外でも視聴可能なライブ中継だったんだが」
「それも難しいだろう。……現実世界ででは移動手段は限られているんだから」
「だよな? 幾らバイクで渋滞を縫って進んでも、限界があるし、何よりオレも最初は死銃は2人だと思い込んでたし」
和人や隼人の言葉を訊いて、菊岡は頷いた。
「そう、それなんだ。ターゲットには最も自宅の近い3人を選んでいたらしいんだが……ペイルライダーの自宅とジーンの自宅はまだ良くても、朝田さんが住んでいる場所からは、ずっと離れてたからね。しかも、今までは死銃役を望んでいた恭二が今回に限っては、実行役に固執したそうだ。昌一は電気スクーターを持っているそうだが、恭二は運転が出来ない。……だから、昌一はもう1人
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