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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第210話 救えた命
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隼人は、詩乃を背に乗せ、バイクを回し続ける。
――この風に、なった感じは……。
詩乃は、隼人の腰に手を回し、彼の温もりを感じて 顔を赤くさせながらも、GGOの世界でも、これに似た感じがしていた事を思い返していた。
そう、あの三輪バギーの背に乗り、カーチェイスをした時だった。
当然ながら、あの時の様な無茶な速度は出ていない。学校付近から 早く撤退? をしたかったのだろうか、最初こそは それなりに早い、と思っていたんだが、きっちりと法定速度を守って走っていた。その辺は とても真面目な性格だと言う事が改めてよく判ると言うものだった。訊いた話によれば、《安全第一》と強く言われていた為、だと言う事だ。
交差点を1つ、更に1つ越えた所で 信号機が丁度 青から赤へと変わった所で バイクの速度も緩まる。丁度、この交差点は国道へと出る道の為、一度赤になればそれなりに長く止まらなければならない。
詩乃にとっては、風の流れを全身に当たって、丁度いろんな意味で 冷ましていたのに、少なからず都合が悪かったのだが、交通規則は交通規則、それを破る訳にはいかないし、させる事も出来ないだろう。……そもそも、どう言えば良いのか、上手く言い換える言葉も見つからない。……思いつくはずも無い。
「シノン……、いや、詩乃」
「っ……!? う、うん??」
色々と考えていた所で、振り返らずに隼人が詩乃に声をかけていた。
声が多少裏返ってしまったのだが、とりあえず 周囲の音もそれなりに多かった為、不審には思われなかったのは僥倖だ。
「……少し 急ぎ気味で出たんだけど、大丈夫か?」
「大丈夫って?」
「バイクの事、だ。その……速度とか 乗りにくかったり、とか、大丈夫か?」
隼人は、ややしどろもどろになりつつ、詩乃に聞いていた。
信号に引っかかったのは、これが初めてであり、もう それなりに運転をした後だから 今更……と、隼人が思っているであろう事は、詩乃にもよく判り、また思わず笑っていた。
「ふふ。
GGO
(
向こう
)
では、ずっと早いバギーでぶっちぎっていたのに、この程度なら 何でもないよ」
「そうか、なら良かった」
詩乃は、そう言って笑い。隼人も安心したのか、軽く息を吐いていた。
詩乃は 隼人自身も、慌てていた と言う感じがしていた。……でも、それは隼人だったら、何処か当然だろうとも思えた。
元来より、仮想世界ででは、操っているのは、自分自身とは言え 自分とは違う姿だ。故に
その人間の闇
(
ダークサイド
)
が、現れる事も少なくなく、普段の自分自身とは違う人格が現れる事が多い。事情はあるものの、《朝田 詩乃》と言う現実世界に住まう自分も似たようなものだ。
現実世界ででは、
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