Fate/stay night
1185話
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「そうだ。釣った魚にもきちんと餌をやらないと逃げられるぞ」
凛と綾子が、それぞれ小さく笑みを浮かべつつ、そう告げてくる。
言葉では文句を言っているが、その雰囲気はどちらかと言えばしてやったりといった様子だ。
「いや、凛と綾子が俺と一緒の部屋だってのはいいんだけど、よく衛宮が許可したな」
衛宮にしてみれば、綾子は自分と親しい女友達の1人で、凛は憧れを抱いていた人物だ。
それが男と一緒の部屋に泊まらせるとなれば、普通はそういう行為を想像するだろうに。
まぁ、単純に衛宮の好きな相手が凛以外に変わったからって事もあるのかもしれないが。
いや、本当にそうなのか? ……まぁ、その辺は俺が気にする事じゃないか。
ともあれ、理由は色々とあれども、俺はこうして凛と綾子の2人と一緒の部屋に泊まる事になった。
しかも、大きめの客室らしく10畳程の部屋だ。
3人いても、寝室として使うなら全く狭くはない。
……普通に私室として考えれば、3人で10畳ってのは狭いんだろうが。
おまけに布団も3つ、横並びに……しかもくっつけて敷かれているという気の使いよう。
もしかして、桜がやったんじゃないだろうな?
そんな風に考えていると、パジャマを着た凛が俺の頬を引っ張る。
「ほら、アクセル。私と一緒にいるのが嬉しくないの? って聞いてるんだけど?」
「痛いぞ」
「ならさっさと白状しなさい。こんないい女が一緒にいてあげてるのよ? 普段はこんな事しないんだから」
あ、何か今の凛の台詞ってシェリルっぽいな。
そんな風に思っていると、今度は凛とは反対側に座っていた綾子が俺の頬を抓ってくる。
「アクセル。遠坂の言う通りだぞ。折角こうしていい女が一緒にいるんだ。そんな時に、あたし達以外の事を考えるというのは、少しマナーがなってない」
「……そうだな、悪かった」
確かにこうして凛と綾子の2人と一緒にいるというのに、他の女の事を考えるというのは少しマナー違反だったか。
そっと左右に座っている2人の肩を抱き寄せる。
女心には疎い俺だが、それでも今この2人が多少なりとも不安に思っている理由は理解出来る。
そもそも、明日柳洞寺の住人を何とかして、それと言峰も何とかして、大聖杯を破壊してしまえば聖杯戦争は終わる。
それも今回の聖杯戦争が終わるのではなく、この冬木の地で行われている聖杯戦争という儀式そのものが終わり、第6次聖杯戦争というものは未来永劫行われなくなる。
……まぁ、また大聖杯をどこかの誰かが作ったりしなければだが。
つまり、そうなると明日の件が終われば俺がどうなるか……そしてこれはあまり俺達には関係ないが、セイバーとライダーがどうなるのかも分からない。
そして不安に思っている
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