Fate/stay night
1185話
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「あー……やっぱり風呂は気持ちいいな」
道場での練習が終わった後、身体を動かしたからという理由で俺は衛宮の家の風呂に入っていた。
さすがに武家屋敷といったところか、風呂の大きさは凛の家とそう大差ないが、洋風である向こうとは違って木で出来ている風呂だ。
檜風呂ってのは木の匂いがするのが特徴だった筈だけど、それは新しい間だけだった筈。
こうして見る限り、この檜風呂はそれなりに黒ずんでいて別に新しいという訳ではなく、それなりに年月が経っている。
それでもしっかりの木の匂いがしているのは……もしかして、衛宮が魔術で何かしてるのか?
ブラウニーの異名を持つ衛宮だけに、何だか普通にやってそうではあるけど……
そんな事を考えながら風呂を楽しむ。
もっとも現在この家にはかなりの人数がいる為、そんなに長風呂が出来るという訳でもない。
いや、俺の場合はどんなに長風呂でも四十分程度なんだけどな。
ともあれ、風呂から上がって居間へと向かうと、そこには桜とライダー、そして何故かセラの姿があった。
……どういう組み合わせだ?
「あ、お風呂から上がったんですね。これをどうぞ、アーク先輩」
風呂上がりの俺の姿を見た桜が台所の方へと向かい、コップを持ってこっちに戻ってくる。
コップの中身は、オレンジジュースか?
「お風呂上がりなので、本当は牛乳とかの方がいいんでしょうけど。さっき先輩が飲んで切らしてしまって……」
この場合の先輩ってのは、俺とか凛とか綾子とかじゃなくて、衛宮の事だろう。
「いや、気にするな。風呂上がりだし、冷たいものがあるだけで嬉しいしな」
2月ではあっても……いや、2月だからこそか、風呂はかなり熱めのものだった。
それとも衛宮家の風呂は元々熱めなのか?
どのみち熱湯に入っても俺の場合はそんなに関係はないんだが、それでもこうして風呂上がりに冷たい飲み物ってのはありがたい。
ライダーやセラから少し離れた場所でテーブルに着き、冷えたオレンジジュースを一気に飲み干す。
うん、美味い。
コップをテーブルに置くと、それを見計らったかのように……いや、実際に見計らっていたんだろうが、桜が俺へと向かって頭を下げてくる。
その隣では、ライダーもまた頭を下げていた。
「アーク先輩、私の事を助けてくれてありがとうございます。今までお礼を言うのが遅くなってしまってすいませんでした」
「アークエネミー、私からもお礼を言わせて貰います。私達は一度敵対した相手。にも関わらず、私のマスターである桜を助けてくれた事には感謝の言葉もありません」
「気にするな。どのみちやらなきゃいけなかった事に違いはないしな。凛との関係は聞いてるし」
「っ!?」
俺のその言葉に意表を突かれ
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