第13話 私が抱く貴方への思い
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しな」
その近くの壁にもたれていた男が壁を殴っていた男に同意した。彼も顔に夥しい傷があり表情も分かりにくい。
彼らは以前にレンを襲おうとしてリィンに顔の形が変わるまで殴られた二人だ。あの後二人はこの施設でもっとも階級の低い奴が行くと言われる『地下室の見張り』に落とされ周りの同僚達からあざ笑われていた。
「ああ〜ッ!!あのガキをぶっ殺してやりたい!!」
「気持ちは分かるが無理だ、奴はヨアヒム様のお気に入りだぞ。次は首を切られるかもな」
「だからこそイラつくんだよ!ああムカムカする〜ッ!!何でもいいから殺してやりてぇッ!!」
男はリィンに復讐したかったがリィンはヨアヒムのお気に入り、もし次に何かしたらそれこそ命が無い。溜まった鬱憤は男を更にイラつかせた。
「糞!どいつもこいつも俺を笑いやがって!ふざけんな―――ッ!!!」
ドガッ!
男は近くにあった鉄パイプを蹴り飛ばした。
「あ、おいバカ!こんなとこでそんなもん蹴り飛ばすな!」
壁にもたれていた男が慌てるが鉄パイプは回転しながら何かのカプセルに当たった。
「あ、やべぇ……」
「やべぇじゃねえだろうが!あのカプセルには確か実験中の改造魔獣が……!」
二人がそうこう話しているうちにカプセルから何かが出てきた。
紅く染まった体毛を纏い人一人すら容易に切り裂けそうな鋭い爪と牙、背中から生えた無数の刺、そして緑に輝く瞳……明らかに普通の生き物ではなかった。
「ヤ、ヤバイ……」
「逃げ……うぎゃああぁああぁぁああッ!?」
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sideリィン
「……ん、何か熱いな」
レンと共に眠っていた僕はいつもと何か違うと感じて目が覚めた。この施設の温度は管理されているため熱かったりはしない。だけど今は汗が噴出すほど熱さを感じる。
「レン、起きてくれ。何かがおかしい」
「んん……何、どうかしたの?……って何だか熱いわ」
「ああ、これは一体どういう事なんだ?」
その時だった、僕達のいる部屋の端の壁が突然爆発して崩れた。
「な、何が起きたの?」
「分からない、でも異変が起きているのは間違いない」
僕とレンは状況を把握するために崩れた壁から外に出た。
「何だ、これは!」
外の光景は地獄だった。あちこちで燃え上がる炎、立ち上る煙、倒れる人、そして聞こえる断末魔……たった数時間で何が起こったっていうんだ?
「ぎゃあああッ!?」
前の通路から何者かの叫び声が聞こえた。だが煙のせいで視界が見えずらい、僕は警戒しながら少しずつ近
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