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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第13話 私が抱く貴方への思い
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さみになっていた。





 side:??


 リィン達が眠りについた頃、この施設のある部屋に二人の男性がいた。一人はヨアヒム・ギュンター。D∴G教団の司祭幹部にして施設『楽園』を管理する責任者であり多くの子供達の命を奪ってきた狂いし男。
 そしてもう一人がカテジナという白髪の男。彼はリィンをここにつれて来た張本人だ。ヨアヒムは何か多くの文章が書かれた紙を見て笑っていた。


「ん〜、やっぱり例の黒髪君の戦闘データが上がっている。それにあの少女も釣られていいデータがとれた。思惑通りだね」
「ヨアヒム様、何故他の子供と隔離してあの二人を一緒にしたのですか?」
「カテジナ君、君は彼は妹を守ろうとした時に凄まじい力を見たんだよね?」
「はい、本人は扱いきれてなかったが急激なパワーアップをしました」
「おそらく彼は『異能』を宿している」
「『異能』……ですか?」


 聞きなれない言葉にカテジナは首を傾げた。


「稀にいるんだよ、今の科学ですら解明できない摩訶不思議な脅威の力を持つ人間が……異能とはそんな力を現す言葉と思ってくれればいい」
「なるほど、その異能という力をリィン・クラウゼルは宿していると……」
「私の推測だが間違いないだろう」
「だがそれと自分の質問にどんな関係があるのですか?」


 実に楽しそうに説明するヨアヒムだが、カテジナは自身が言った質問の回答を求めた。


「黒髪君がその力を引き出すのは何かを守ろうとする時。そして今の彼にはそれがいる」
「なるほど、あの娘をきっかけにするつもりですか」
「ああ、いずれは彼女にも『協力』してもらわなければ……彼の力を引き出すためにね」
「……相変わらずの人だ、貴方は」


 ヨアヒムはレンを利用してリィンの中にある力を引き出そうとしているらしい。そしてヨアヒムの性格を理解しているカテジナは彼の言っていた『協力』が非人道的な方法だろうと思い苦笑した。


「失礼いたします、ヨアヒム様。飛行船のご用意が完了いたしました」


 その時部屋の入り口から男が現れヨアヒムに何かを報告した。


「そうか、ならさっそく教団本部に戻るとするか」
「例の定例会議ですか?」
「ああ、面倒だがこれも決まりだからね。行くよカテジナ君」
「了解しました」


 二人はそういって部屋を後にした。







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ーーー



「糞!イライラするぜ!」


 ヨアヒム達が楽園を出て2時間が過ぎた頃、施設の地下にある研究施設の一角で一人の男が壁を殴っていた。その顔は酷く歪んでおり傷だらけだった。


「全くだ、あのガキのせいで俺達は落ちぶれたんだ
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