第13話 私が抱く貴方への思い
[4/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
座っており僕はレンの頭を撫でたり抱きしめたりしている。
「いいじゃない、これは私にとっての一日の疲れを癒すごほうびなんだから」
「こんな事がか?」
「ええ、少なくとも私が生きてきた中で最高のごほうびよ♪」
「そんな大げさな……」
そもそもなんで僕はレンと二人だけの部屋にいるのかというと、前の事件の後何故か僕達は同じ部屋に移されて実験も二人だけで受ける事になった。
これは多分『先生』とかいう奴の差し金だろうけど何が目的なんだ?
そんな事を考えていたらレンが目を閉じて顔をゆっくりと近づかせていた。
「何をしてるんだ」
「ん……もう、何で止めるのよ」
レンの口に指を当ててキスを止める、何でこの子はことあるごとにキスしようとするんだ?
「あのなレン、そういう事は気軽にしていいもんじゃないんだよ」
「どうして?私、貴方ならかまわないわよ?」
「まったくそういう態度が男を勘違いさせるんだぞ。それは本当に大切な人が出来るまでとっておきなさい」
「いないわよ、大切な人なんて……」
レンが何か呟いたように思えたが生憎聞こえなかった、それに何だか悲しそうな表情になってる……よし。
「わわッ、リィン!?」
僕はレンを包み込むように抱きしめて優しく頭を撫でる。
「ごめん、何か嫌な事を思い出させたようだね」
「……貴方は気にならないの?私が何でここにいるのか」
「気にならない訳じゃないけど誰だって言いたくない事は沢山ある、だから僕は何も聞かない。ほら、明日も大変だろうから早く寝たほうがいいよ」
「本当におかしな人ね、貴方って……」
レンは暫くギュッと僕の手を握っていたがいつの間にか静かに眠っていた。
……あれから何日が過ぎたんだろうか?僕が此処に来てかなりの時が流れた、逃げ出そうとしていたのに今じゃそれすらしていない。
「レンがいるからか……」
自分がここに残る理由、それはもう自分でも分かりきっている。あれだけ逃げたいと思っていたのに僕はそれをしない、レンをここに置いていけないからだ。
僕は酷い奴だ。団長や西風の皆、そしてフィーは今も僕を心配してくれていると思う。でもそれを知っていても僕は逃げれない、ここに出来てしまったからだ。フィーと同じくらい守りたい大切な者が……
レンはもはや赤の他人じゃない、自分の妹だと思えるくらい大切な子だ。実際この子がいなかったら今頃僕は発狂していたかとっくに死んでいたと思う。猟兵といえ不安が無かった訳じゃない。レンはそんな僕の心を癒してくれた。
「本当に僕は酷い奴だ……」
眠るレンの頭を撫でながら僕はどうしようもない気持ちに板ば
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ