19.人生の落とし穴は至る所にある。でも気付いた者の方が落ちやすい。
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<神の塔>
マリアSIDE
リュカさんがスラリンさんとホイミンさんと一緒に不思議な歌を歌っている。
歌詞がとっても素敵です。
上を向いて歩く事の素晴らしさを歌っている。
既にここは塔の最上階。
揚々と歌うリュカさんを先頭に、両際に壁も手摺りも無い空中回廊を進む。
きっと、この回廊の先にラーの鏡があるのだろう。
この回廊こそ、神様の試練が待つ回廊なのだろう。
そして試練の時はきた。
私達の行く手の床が途切れている!
神様の試練とは、かくも難解な物なのか!?
どうすれば向こう側へと行けるのか…皆さんそれを考え悩んでいる。
皆が足を止め途方に暮れる中、リュカさんだけが歌いながら突き進んでいた。
私達は信じられない物を見た。
リュカさんが何もない空中を歩いているのだ!
正確には歌いながら左右にステップを踏み進んで行く。
向こう側に渡りきると祭壇にラーの鏡が奉られてあり、それに気付いたリュカさんは足早に駆け寄りラーの鏡を手にする。
「お!?これかなぁー?ラーの鏡って!」
リュカさんは振り返り、ラーの鏡を掲げ小躍りしながら来た道を私達の元へ戻ってくる。
「イェ〜イ!ラーの鏡、ゲット〜!」
まるで何事も無かった様に、明るい何時もの口調で戻ってきた。
「…リュカ?お前?どうなってんの?」
「何が?」
ヘンリーさんが途切れた床を指さしリュカさんが不思議そうに振り返る。
「おわ!床が無い!え!?何?何で?さっきまであったよね!?」
「さっきからねぇーよ!」
「リュカさん、空中を歩いていました」
「えー!?」
どうやらリュカさんは歌う事に集中しすぎて足下を見ていなかった様です。
「この試練を造った神は泣いているな!馬鹿が台無しにしたって。」
「ピエールさん、酷い!!僕のおかげでラーの鏡が手に入ったのにぃ!!」
リュカさんとピエールさんの掛け合いが微笑ましい。
何か、お似合いかも。
「さて、ラーの鏡も手に入った事だし…時間が惜しいので、このままラインハット城に乗り込む!」
私にも何かお手伝いが出来るかもしれない。
ヘンリーさんの為に。ラインハットの人々の為に。
マリアSIDE END
<ラインハット城>
ピエールSIDE
私達は旅の扉を通りラインハット城へ舞い戻ってきた。
しかし何やら中庭が騒がしい。
我々は慌てて中庭に出ると、そこには中年女性が取っ組み合いのケンカをしているではないか!
しかも、ただの女性ではない。
二人の太后が泥だらけになりながらケンカをしている。
「義兄さん!ちょうど良い所へ。僕、少しでも義兄さんの力になりたくて、地下牢から母を連れ出した所に、偽者が現れて…」
「それで、どっちが偽者?」
「…それが…その…す
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