イルズィオーン
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ソフィアのせいでロリータファッションになってたんだった。バトルに集中するあまり忘れてたぜ。
「魔水晶ビジョン見てなかったのかよお前」
「魔水晶ビジョン?」
俺が街中にセッティングされている魔水晶ビジョンを指さすと、レオンは初めてそれに気がついたようで驚いた表情をしている。たぶん眠気が強すぎて周りに注意を配るというのが疎かになっているんだろうな。
「それにしても・・・」
今俺が一番驚いているのはグラシアンさんのことだ。ヒビキさんに変化したのはいいとしても、彼の魔法『古文書』を完璧に使いこなし、レオンがここにやってくることを計算していた。
ウェンディの時みたいに技を覚えるだけでなく、細かいところまで再現することができるのか。それに、ジェミニとは違ってストックもまだあるはずだ。
ウェンディとヒビキさん、ジェミニだったらそれでおしまいだけど、さすがにこんな大事な場面で戦闘に不向きな2人だけで挑んでくるということは考えられない。おまけにこの人は一昨日、俺に、しかもスティングさんとローグさんと一緒の3対1の状況で完敗している。
普通に考えて王者の誇りやら威厳やらを考えると何が何でも勝ちたいはずだ。ならなおさらウェンディたちだけしか変化できないとは思えない。
『おおっと!!エルザ、カグラ、ミネルバの三つ巴に続いて、こちらでは4人の魔導士の戦いとなった!!安定の力を見せるシリルか!?はたまた三大竜グラシアンが一昨日のリベンジを果たすのか!?それともソフィアがここを切り抜けこの後も観客を楽しませてくれるのか!?それとも大穴、レオン・バスティアが大金星を上げるのか!?』
実況席も俺たちの戦いに注目をしているらしく、声に力が入っている。
「よーし!!レオンとグラシアンさんをすぐ倒してシリルちゃんとラブラブするぞぉ!!」
ソフィアの発言を聞いて俺の背筋が凍る。願わくばソフィアに一番最初に退場してほしいところだな。返し魔法なんか使ってるからかなり難しいとは思うけれど。
「お前なんか目じゃねぇ。俺は・・・シリルを倒すためにここにいる」
グラシアンさんは俺の方を睨みながらそう言い、かなり燃えていることが伝わってくる。
「面倒なところに来ちゃったなぁ・・・シェリアたちで優勝なんかなんとかしてくれるからどうでもいいんだけどなぁ」
レオンはいつも通りやる気がないようで、クマが色濃く残っている目を擦り、集中力を維持しようとしている。
3人のうち2人の矛先に俺に向いている状況。だけど、俺はソフィアやレオンといった年齢の近い魔導士たちと対戦したいと思っていた。
それに、グラシアンさんは多数の人間に変化することができる。リ
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