イルズィオーン
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を高めていく俺。3人の魔力がそれぞれ最高到達点に達し、駆け出そうとしたその時、
「あ、ちょっと待て」
勝負を吹っ掛けてきたはずのグラシアンさんがストップをかけてきた。そのせいで俺とソフィアは思わずズッコケ、緊張感が薄れてしまう。
「もう!!何なの!?今すっごくいいところだったじゃん!!」
「あれか!?そうやって俺らの緊張感解いてから攻めてくる悪質な戦法か!?」
ソフィアと俺はあまりのことに激怒している。そんな俺らを見てグラシアンさんは片手で謝罪してくる。
「悪ぃ・・・そんなつもりじゃないんだ。ただ・・・」
グラシアンさんはそう言うとイルズィオーンをする。そして現れたのは俺たちがよく知っている茶髪のかなりイケメンのホストのようにスーツを着こなすこの男。
「僕の古文書の計算によれば、来るはずなんだよ、もう1人。それもこの舞台にふさわしい男が」
「「ヒビキさん!?」」
青い天馬の頭脳、ヒビキさんだった。ヒビキさんは前髪をいじりながらある通路へと視線を向ける。俺たちも彼のいう人物が誰なのか気になり、同じようにそちらを向く。
カッカッカッカッカッ
ヒビキさんの宣言通り、何者かの足音が次第に近づいてくる。初代の計算がここまで狂うなんて・・・いや、違うか。俺がソフィアから逃げてきたせいで今現在の位置がほとんど把握できていない。ラクサスさんやガジルさんといった今の段階では勝負に入っていない仲間たちに遭遇していないことを踏まえると、彼らがいるポイントからは外れた位置にいることだけは想像できる。
「ふぅ〜・・・最初に遭遇したっきり誰とも会わなくなっちまったな」
その少年は何かをブツブツと言いながら歩みを進め、辺りに注意を振りながら、さらには寝不足で眠たい目を時おり擦り、眠気を誤魔化しながらこちらに近づいてくるのか見える。
「というか、ここどこ・・・」
通路から完全に姿を現した魔導士レオン。彼は俺たちと目が合うと一瞬固まったのち、長めの金髪の頭を掻くと、
「誰とも遭遇しねぇなぁ」
踵を返して元来た道をUターンし始めた。
「「「おい!!」」」
自然な流れで俺たちとの戦いを避けようとするレオンに思わず怒ってしまう俺たち3人。レオンはその声を聞いて逃れられない現実とようやく向き合う気になったのか、こちらに体を向き直る。
「あれ?みんなこんなところにいたんだ。全然気づか・・・」
あくまでシラを切るつもりのレオン。だが彼は俺を見るとそこで視線を止める。
「シリル・・・なんだその格好・・・」
「えぇ!?」
思わず服を見えないようにと腕を体の前でクロスさせて身を屈める俺。そうだった、今の俺は
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