イルズィオーン
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第三者side
「グラシアン・・・ついにあの魔法を解放するんだね」
ここはクロッカスに位置する王立図書館。その中で傷だらけで倒れているのは先程グレイによって戦闘不能に追い込まれたルーファスだった。
ルーファスは微かに聞こえてくる魔水晶ビジョンの音声から現在対戦しようとしているグラシアンの魔法を推測していたようだった。
「私の記憶の造形魔法・・・しかし、彼のあの魔法は私では再現することができない。奴は如何なる魔導士の魔法も1度見ただけでおおよそ真似することができる。そして、彼の幻影魔法を合わせることにより、より完璧な物真似を見せることができる。その名も・・・
イルズィオーン!!三大竜でもっとも怖い男だ」
シリルside
「イルズィオーン・・・」
「変幻自在の物真似・・・ね」
俺とソフィアがグラシアンさんの魔法についてそう言う。
「そうだ。俺のイルズィオーンは如何なる魔導士の魔法も真似することができる。もっとも、自分の魔力の範囲内で、だがな」
グラシアンは肩をすくめながらそう言う。ルーシィさんの星霊のジェミニみたいなものだろうか?ジェミニは触れた相手の容姿、能力、思考をコピーして戦うことができる。ストックが2体ということと制限時間が5分というのもあるけど、その辺はたぶん違うんだろうな。
「ソフィアならウェンディ辺りにイルズィオーンしておけばてっきり大喜びで飛び付いてくると思ってたんだがな。こんなことならシェリアなりエルザなりになっておくべきだった」
グラシアンは足場を軽くならしながらそう言う。そういう手段も彼の頭の中にはあったのだろうが、2人とも今は別の場所で戦闘中だから不審に思われると考えて変身しなかったんだろう。まぁ、なんでその結果ウェンディになったのかはいまいち理解できないが。
「ふふん♪ソフィアくらいの女の子になると触るだけじゃなく見るだけでもその子が偽物かわかっちゃうんだよ」
得意気な表情でそう言うソフィア。たぶん女の子というよりもソフィアだからこそ見ただけで分かるような気がする。けれど今は突っ込まない。
「そうか・・・だが、俺のイルズィオーンを使えばお前程度の魔導士は軽く捻り潰せる。正体を見破られていようがいまいが・・・な」
「ふ〜ん。だったらやってみなよ」
突如上がる2人のプレッシャー。さっきのエルザさんやカグラさんたちと同様に魔力が一点に集中しており、一番近くにいる俺にはその緊張感が伝わってくる。
「よし!!なら俺も・・・」
2人負けじと魔力
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