イルズィオーン
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わわ・・・」
頭を抱えて偽ウェンディと顔を合わせないようにする。これは恥ずかしい。たぶん今俺顔真っ赤だわ。
「それで?あなたは一体誰なの?」
俺が1人で恥ずかしさに悶えているとその様子を見ていたソフィアがウェンディの方に問いかける。
「何言ってるんですか?ソフィアさん。私はウェン―――」
「ウェンディちゃんはもうソフィアをさん付けじゃ呼ばないよ?」
3日目の夜のリュウゼツランドでソフィアがウェンディに呼び捨てで呼んでほしいということを言い、ウェンディもそれを了承したため、今はウェンディはソフィアのことを呼び捨てで呼ぶしタメ口で話している。だからこの偽ウェンディが敬語で話しているのはおかしいのだが・・・
「こ・・・ごめん!!つい癖で・・・」
ソフィアに手を合わせて謝罪するウェンディ。こう返されてしまうと思ったから俺はさっきあえて言わなかったんだよ。
「それと、ウェンディちゃんはいくらシリルちゃんが心配でも、ルールを破ってまで助けに行くような子じゃないと思うなぁ」
「あ・・・」
それだぁ!!そうだよそういえばよかったんだよ!!ウェンディが大会のルールに違反するようなことするわけないじゃん。そういえば丸く修まったのに・・・なんで最初に匂いが違うとか思い付いちゃったのかな・・・後で皆さんにウェンディに言わないようにお願いしておこう。特にカナさんには念入りにね。あの人面白がってすぐ話しちゃうだろうから。
「チッ」
ソフィアにもっともなことを言われてしまった偽ウェンディは舌打ちをして不機嫌そうな表情を浮かべる。すると額に手を当てながら大笑いし始めた。
「ははははははっ!!なんだ、てっきりお前は女の子なら後先構わず飛び付いてくると思ってたが、案外冷静にものを見ることもできるんだな!!」
ウェンディの声と姿のまま男口調で話す偽物。そして化けている必要がなくなったからなのか、彼は目を閉じ魔法を解除する。
小さな体躯が成人男性並みの大きさまでなると、長かった髪の毛も徐々に短くなり、紫色のオールバックヘアの男性が現れる。
「作戦Aは失敗だな」
俺とソフィアを見据えてそう言ったのは剣咬の虎の誇る三大竜の1人、グラシアンさんだった。
『おおっと!!ウェンディたんの姿で現れたのはグラシアンだぁ!!』
『これも1種の幻覚魔法なのかね?』
チャパティさんとヤジマさんもウェンディに化けていたグラシアンさんの魔法に驚いている様子。だけど、姿だけを変えるなら彼なら楽勝にできるだろうけど、最初にソフィアを吹き飛ばした時はウェンディと同じようなブレスを使っていたような気がする。あれはどう説明するのだろうか?
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