イルズィオーン
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になってしょうがない。
俺がソフィアを白い目で見ていると俺の話を受けたウェンディが答える。
「ナツさんがね、ちょっとずつ回復してきたの。そしたら「試合の様子見てきて」って言われて、それでビジョンを見てたらシリルがソフィアさんに捕まってたからつい・・・」
「ほぅ・・・」
今のウェンディの言葉で確信を持った。こいつはウェンディじゃない、偽物だ。
ウェンディはウソをつくのがすごい苦手だから、俺にナツさんが食あたりとか言われたら「え?ナツさんが!?」とか驚いた後に、取り繕うように誤魔化すと思ってたけど、今の言葉にはそんな様子は一切なかった。
だけど今はそれを指摘するわけにはいかないよな。だってそんなこと言ったらじゃあなんでナツさんいないの?って思われちゃうもん。
「さてさてどうするかな・・・」
今目の前にいる偽ウェンディと俺がずっと見てきた本物のウェンディの違いを一生懸命に探す。
といっても、見た感じは全然別人なようには見えない。目はパッチリとしていて可愛らしいし、ツインテールの結っている位置もいつも通りだと思う。強いて言えば朝と服装が違うけど、「さっき着替えたの」とか言われてしまえばそれまでだし・・・
「う〜ん・・・」
じっと偽ウェンディの方を見つめながら考える。すると、そこであることに気づいた。
「お前・・・ウェンディじゃないよな?」
「えぇ!?何言ってるのシリル!!私はウェンディだよ!!」
手をバタバタさせて自分が本物だという偽ウェンディ。確かに見た目は完璧にコピーしていると言っていいだろう。今の二正面作戦とか大魔闘演舞という状況じゃなければ何も疑問に思うことなく近づいていただろう。だけど、ある一点だけは本物のウェンディと違うことにようやく気づく。
本物のウェンディとの違い、それは・・・
「お前は本物のウェンディと匂いが違う!!」
指をさして堂々と偽物にいうと、そいつは顔を真っ赤にさせて怒鳴る。
「シリル!!女の子の匂い嗅ぐなんて何考えてるの!?」
「え!?」
偽ウェンディの言葉を聞いてよく考えてみる。頭をフル回転させて今自分の言った発言を振り返ってみる。
「い・・・いや・・・ちが・・・」
次第に俺があげた本物と偽物の違いが少し・・・いや、かなりヤバイ人間のような気がしてくる。俺たち滅竜魔導士は嗅覚などの五感が人より優れている。だから他人の匂いなども把握しているところがあり、それにより判別しているときもある。ナツさんなんかその典型的な例だと俺は思う。だけどこと今の状況においては誤った見極め方だった気がする。しかもこの様子を見ている観客たちもたくさんいるのだ。もしかしたら俺のことをソフィアと同類と判断した人もいるかもしれない。
「あわ
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