イルズィオーン
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『こ・・・これは一体!?シリルたんとソフィアの前に現れたのはなんと!!妖精の尻尾のウェンディたん!!』
まさかの人物の登場にチャパティさんも驚きと嬉しさとでさっきよりも実況の声に力が入っている気がする。たぶんドムス・フラウにいるマスターたちは何が起きているのかわからずに困惑しているだろうな。
「シリル!!大丈夫!?」
「う・・・うん」
俺の方を見て心配そうにそう言うウェンディ。俺は混乱している頭を整理しながら彼女に声をかける。
「な・・・なんでここにいるの?」
ウェンディは今はお城にいっているはずだからこんなところにいるはずないんだ。なのにここにいるっていうのは2通り考えられる。1つはお城に行く途中でナツさんたちとはぐれてしまって偶然ここにやって来たか・・・
「シリルがソフィアさんにあんなことされてるから見てられなくて・・・」
偽物か、だ。
ウェンディは両手の人差し指をツンツンとさせながら顔を赤らめてそう言う。これだけだと彼女が本物かよくわからないし、もう少し聞いてみるか。
「ウェンディはナツさ・・・」
そこまで言葉を言いかけてあることを思い出す。「ナツさんとお城に行ったんじゃなかったの?」なんて聞いたらこの試合を見ているであろう国防大臣さんに俺たちの計画がバレてしまう。そうなってはすべてが水の泡だ。
「どうしたの?」
首をかしげて俺の方を見つめるウェンディ。ナツさん・・・ここから何を繋げて誤魔化せば・・・
「な・・・ナツさんの看病してたはずだよね?食あたり起こした」
「え!?」
咄嗟に思い付いたウソを言ってみた俺。魔力欠乏症とかいうと観客たちがなんでそんなことになったのかと言ってくるだろうからそれはやめておいて、そうなるとこれくらいしか今の俺には思い付かない。頼む、騙されてくれ・・・
『な・・・なんと!!本日の大魔闘演舞に欠場したナツ・ドラグニル選手は食あたりを起こしたために参加できなかった模様です!!』
『1位のお祝いに何かおかしなものでも食べたんですかね?カボ』
『ナツくんらしいと言えばらしいね』
どうやら実況席の3人は騙せたみたい。彼らがこう言ってくれれば観客たちも自然とそう言う雰囲気になってくれるだろうし、とりあえず一安心かな?
「ナツさんって、食べ物に当たったりするんだ。いが〜い」
俺の話を聞いていたソフィアがそう言う。確かにナツさんはあんまり食べ物とかは当たらなそうな気はするね。
「道端の雑草とか食べても平気そうなのに」
「ソフィア・・・それは言い過ぎ・・・」
さすがに道に生えてる雑草なんかいくら何でも食べないだろうし、食べたらきっと次の日は起きられないと思う。ソフィアの中でのナツさんのイメージが気
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