月下に咲く薔薇 23.
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隊協力企業として立つ「トライダーG7の竹尾ゼネラルカンパニー」も今尚21世紀警備保障と同位置にある。
名刺に刷り込まれているダイ・ガードの近景。おそらく、この写真の存在感は大山の要望を通す程の力を発揮するに違いない。
大山に、赤木、いぶき、青山、キラ、ミシェル、そしてミヅキがついて行き、まずライノダモンの口が浮かんでいたエントランスを外から眺める。昨日の後始末と今後の気がかりが最も集中している場所だ。施設の責任者がいる可能性は高い。
実際。そこに数人の人影があった。
しかし、明らかに施設関係でも店舗関係でもない人間が混じっている。部外者風の3人は、最も背の高い人物が裾の長い白衣を着ており、他の2人は同じ色の制服に袖を通している。
東洋人2人が前屈みになる辺り、何らかの事情で施設関係者は部外者に頭が上がらなくなっているようだ。
「あれは…!」
背格好と仕種を見た途端、ミシェルは3人の素性を看破した。何故ここにいるのかという疑問と、以前と全く変わらない既知の人物達に対する安堵。それが同時に発生する。
屋内でも、ほぼ同じ事が起きた。
真っ先にミシェル達に気づいたのは、栗色の髪をしたスザクだった。
彼の視線が建物の外に逃げた為、中にいる数人も1人、また1人と外から中を覗くミシェル達と目が合ってゆく。
スザクはただこちらを伺うに留めていたが、ロイドが大袈裟な仕種でドアを指し中に入ってくるよう盛んに促す。
赤木が驚いて、「おい! あれってブリタニアの特派、だったよな」と青山に確認を求めた。顔はひきつり、既に波乱の予感からは逃れられない状況にある事を彼なりにしっかりと悟っている。
勿論、訊かれた青山も例外ではない。「どうして連中がここにいるんだよ…」とようやく絞り出す言葉は、誰に送ったものでもなかった。
「こうなったからには、とにかく中に入るしかないでしょ。行くわよ」
先導が大山からミヅキに代わり、ぞろぞろと7人で店内に入る。
「やぁ、聞いたよ〜」対面直後、ロイドから爆弾発言が飛び出した。「ここにライノダモンが現れかけたんだって?」
そうだとも違うとも断言できず、全員がその場で凍り付く。施設の責任者が目前にいるので、自然とZEXIS全員の視線が彼に集まった。
「わ…、私が話したのではありません」怯えた目つきで首をしきりと横に振りながら、謝るように男が説明をする。「8時頃突然おいでになり、事情は聞いているからと申されまして。今は開店準備中ですし、こちらにご案内しました」
おそらくは、男の人生の中で初めて目の当たりにするブリタニアの貴族だ。ロイド達に圧倒された上に事情は既に知っていると押され、ひとたまりもなかったのだろう。
ロイド博士やスザク達は、ブリタニア・ユニオンに作られたブリタニア帝国側の組織・特別
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