月下に咲く薔薇 23.
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断罪する時だ。
操縦者の万丈は、ZEUTHの幹部の1人とも言うべき存在になる。聞いた話によると、明朗快活な彼もまた財団を率いているという。アクシオン財団の総帥カルロスと立ち位置は似ていなくもないが、テロリストやインペリウム帝国の出資者となって世界の変化を望んだカルロスとZEUTHの万丈は、自らの手を血で汚す覚悟の差で大きくかけ離れていた。
変形し、陸側の列の端にダイターン3が立つ。万一の事態に備え、その大きな機体にバトルキャンプの施設群を守らせるつもりでいるのかもしれない。
空中に留まるキングゲイナーの頭部と天冠の隣で、張り出しを持つ左の肩パーツが海の青さを描き出す。
陸側の列は、既にクロウの後ろにあった。
ダイターン3、キングゲイナー、ヨーコMタンク、オーガス、キングキタン、ナイキック、グレンラガンの7機が陸、空、陸、空と留まる場所が交互になるよう配置されている。
ガンメン2機にダイターン3とグレンラガンが加わっているだけに、高く厚い壁という印象だ。
一方海側の列は、メサイア・ルカ機に始まり、ガンダムサンドロック、やはりメサイア・アルト機、紅蓮弐式、ガンダムエアマスターバースト、チームDのVBMが4機、そして∀ガンダムと、空中戦が可能な機体が多く含まれている。
いずれの機体も、変形が可能なものは全てロボット形態にしアリエティスの出現に備えていた。
アイムの牡羊座機は何故か地上に立つ事を余り好まず、常に高所からZEXISを見下ろす。陸戦用機の備えは、アイム対策と言うより奴の手足となって働く次元獣対策に見えなくもない。
『そこで止まってちょうだい』
携帯端末からスメラギの声がする。場所的には、ZEXIS機が作り上げる2つの列のちょうど中央辺りか。
指示通りに踵を止めた直後、頭上の蒼天にしみが1つ生まれた。
『見えるわね。アリエティスよ』
女性戦術予報士の声が、強い緊張を含む。
濃色のしみは急速に膨張すると、赤と青に染め上げられた人型機体として空に航跡の斜線を描き出す。
至近距離に着陸するのを避ける為かと思いきや、機体は止まらず、やおら水平移動に移る。
「ちょ…! 何しやがる…」
球に近いアリエティスの頭部と白銀の爪が目に入ったかと思いきや、クロウの体は既に牡羊座機と共に上昇を始めていた。
何がそれ程嫌なのか、あくまで着地というものを拒む。
それに、この巨大で硬質な手の感触。間違いなく、青い異世界からクロウを助け出した時のものと同じだ。
バトルキャンプの上空、おそらくは200メートル程のところでアリエティスが静止する。
オーガス、ナイキック、キングゲイナー、そしてメサイア2機に∀ガンダム、エアマスターバーストが、インペリウム機を追って上昇し円を成して包囲した。
『てめぇ! やっぱ
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