ターン38 変幻忍者と黄昏の隠密
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でもどうなの、葵ちゃん?お姉ちゃんのこと、そんなに怖いかな?」
「え?」
「どうしても知りたくなったの。聞かせて葵ちゃん、そんなにお姉ちゃんのこと苦手だった?嘘は言わなくていいから、ちゃんと自分の心に聞いてごらん?」
「……」
言葉に詰まる葵ちゃん。僕らの前では苦手だ嫌だと言っていても、いざ面と向かってストレートに聞かれると答えにくいらしい。
何度か喋りかけては口を閉じることを繰り返し、それでも最後にはゆっくりと、考えながら言葉を選んで話し出す。
「確かに、姉上が苦手なことは間違いないです。ですが……ですが、こうして今宵、姉上と向き合ってようやく気付くことができました。1人で姉上から逃げてここに入学しても、結局は何の解決にもならないのだと。むしろ残った恐怖が恐怖を呼び、より一層姉上と私の距離を広げていたのだと。目を逸らしていた自分の弱さを気づかせてくれた、そんな姉上には感謝します。わざわざ会いたくはありませんでしたが」
「なんかえらい言いようだよね、お姉ちゃんのことをそんな化け物みたいに。お姉ちゃんただ、たった1人の愛する妹にはるばる会いに来ただけなのにー。でも、これで葵ちゃんの本気のデュエルが見れそうだねっ!きっかけはどうあれ、あなたがこの1年でやったことの全ては決して無駄なことじゃない。ここでしか見つけられないことを身に着ける機会だってたっくさんあったはず。お姉ちゃん、私の妹はそれができる子だって信じてるから」
「ええ。姉上に見せてあげますよ。葵流忍法の妙技、その全てを!そして姉上に私は勝ちます!」
なんのかんの言っても、姉妹ってのはこういう独特の絆で繋がってるものなんだろうか。1人っ子の僕にはよくわからない世界だけど、ついさっきまでとは別人のように生き生きした葵ちゃんを見てとりあえずホッとした。
「魔法カード、一時休戦を発動!お互いにデッキからカードを1枚引き、次の姉上のターン終了時まであらゆるダメージを0にします!そして今引いたカードをセットし、ターンエンドです」
「私のターン、ドロー。墓地からADチェンジャーの効果を発動、墓地のこのカードを除外して、フィールドのモンスター1体の表示形式を変更。ゲツガを攻撃表示にして、この瞬間に星邪の神喰の効果をもう1回適用。私が送るのは、またまた闇属性の黄昏の中忍−ニチリン」
黄昏の忍者将軍−ゲツガ 守3000→攻2800
これで、再び墓地の忍者が2体になった。それはつまり、明菜さんのゲツガの効果を使うことでまたもや2体の忍者を1度に蘇生できるというわけだ。
「ゲツガの効果を発動、黄昏の中忍−ニチリンを2体特殊召喚!これぞ明菜流・天魔覆滅の陣!」
上りゆく黄昏の月をモチーフとするゲツガやシンゲツとは違い、沈みゆく黄昏の太陽をイメージしたのであ
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