ターン38 変幻忍者と黄昏の隠密
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がに説明不足を感じたらしく、ため息とともに明菜さんがより詳しく語りだす。
「もちろん退学して、なんて頼むつもりはないわよー。でも葵ちゃんがいつまで経っても連絡1つしてこないから、お父さんもお母さんも私の次ぐらいに心配してるんだからっ。だから1回でいいから、皆にその元気な可愛い顔を見せてあげてほしいなーってお姉ちゃんは思います」
もう入学して1年が経つというのに、いまだに葵ちゃんは自身の家庭のことを僕相手にすら録に話してくれない。お互い様といえばそれまでだし、だからこそ僕も深く立ち入ろうとは思わなかったわけだけど。だけどこの話を聞く限り、葵ちゃんは僕と違って両親と一緒に過ごして育ってきたみたいだ。
「そう、ですか……でも私は、約束しましたから。卒業して、プロになるまで、2度とこの家の敷居はまたぎません、と。だから、いくらそう言われましても」
「もー、葵ちゃんのいけず。でもそう言うだろうと思った。葵ちゃん、真面目なところは昔っから全然変わってないのね。どうせこのまま私が何言っても聞くわけないだろうから、実力行使させてもらうからね」
そう言ってどこからともなく明菜さんが取り出したのは、なんとデュエルディスク。あれ結構かさばるのに、一体どこにしまってあったんだろう。
「もしデュエルモンスターズに関してはあなたより経験が浅い私が勝つようなことがあれば、葵ちゃんにプロは向いていないってこと。本当に不退転の覚悟で家を出たのなら、この1年で私1人ぐらい軽く倒せるぐらいには成長してないとね。その覚悟を私に見せてごらん?」
「やるしかない、ですかね。姉上、後悔しても知りませんよ……!」
灯台下の空気が、異様な緊張をはらむ。ちょうど太陽の最後のひとかけらが水平線の向こうへ消えた瞬間、最高潮まで高まった緊張が解き放たれた。
「「デュエル!」」
先攻を取ったのは葵ちゃん。だけど、その様子が明らかにおかしい。いつもの冷静な態度は鳴りを潜めて妙に落ち着きがないというかなんというか、まるでこの場から逃げ出したくてたまらないかのような焦りすら感じる。
「私のターン、ドロー!私のフィールドにモンスターが存在しないことでフォトン・スラッシャーを特殊召喚します!さらに忍者マスター HANZOを召喚し、召喚時効果を発動!デッキから忍法カード1枚、超変化の術をサーチしてさらに装備魔法、風魔手裏剣をHANZOに装備!攻撃力を700ポイントアップ……攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースし、手札のこのカードは特殊召喚できます!出でませ、葵流忍法最大のしもべ!銀河眼の光子竜!」
フォトン・スラッシャー 攻2100
忍者マスター HANZO 攻1800→2700
銀
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