ターン38 変幻忍者と黄昏の隠密
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!」
そこにいたのは、黒髪の葵ちゃんとは対照的にまじりっけなしの銀髪美人なお姉さん。でもやっぱり姉妹だからか、その顔立ちはどこか葵ちゃんに似通ったところがある。それにしてもこの人、この見晴らしのいい灯台でどうやって僕や葵ちゃんだけでなくチャクチャルさんの感覚まで誤魔化してこの距離まで近づいてきたんだ……?なるほど、確かに並の人じゃあなさそうだ。
「は、初めまして。デュエルアカデミアオシリスレッド3年兼洋菓子店『YOU KNOW』代表、遊野清明です。こちらこそ、いつも妹さんには迷惑かけて」
「いいのいいの、そんなにかしこまらなくって。清明君っていうのね、私のことは明菜って呼べばいいからねっ!」
親しげに話しかけてきた明菜さんが、次いで葵ちゃんに向き直る。と思ったら、目にも止まらぬ動きでそのまま彼女に抱き着いていた。一瞬の間の後、ドン引きする葵ちゃんをよそに怒涛の勢いで一気にまくしたてる。
「もーっ!葵ちゃん、どーーして入学してからお姉ちゃんに手紙の1枚も電話の1本もくれないのよ!お姉ちゃんこの1年というもの毎日毎日1日6回4時間ごとにポストを確認して、それから電話会社にも葵ちゃんから電話が来てないか問い合わせてずーっと待ってたんだからっ!なのに葵ちゃんったらいつまで経っても何ひとつしてきてくれないし、ずっとずっと寂しかったのにー!うわああーん!」
「あー、ハイハイ」
おいおいと葵ちゃんの胸に顔をうずめて泣き出す明菜さんの頭を仏頂面で雑にポンポンと叩きながら、だから言ったでしょう、先輩?とでも言いたげな目でこちらを見てくる葵ちゃん。なるほど、僕は一人っ子だから兄弟姉妹のいる生活は想像するしかないけど、こんだけシスコンな姉が毎日そばにいるとそりゃあトラウマにもなるだろう。実はちょっとだけ羨ましい気もするけど。
「それで、姉上。わざわざこんなところにまで何しに来たんですか?いくら暇人で社会不適合者な姉上でも、用もないのに来るわけないと思うんですが」
「うー……清明くーん、葵ちゃんがお姉ちゃんの記憶の中の可愛い天使なあの時のあの子より毒舌がパワーアップしてるよー!」
「え!?えーと、その……葵ちゃん、一応身内ならもうちょい大事に扱ってあげても……」
「いやです」
「うわーん!」
ここまでばっさり切り捨てるあたり、本当に普段からこの姉妹はこうだったのだろう。事実明菜さんもある程度騒いで満足したのかすぐに気を取り直し、身軽な動きで葵ちゃんから体を離した。と思ったら、次の瞬間とんでもない爆弾を落としてくれた。
「くすん。そんな冷たい葵ちゃんも可愛いけど、残念ながらただただ愛でに来たわけじゃないの。率直に聞くけど葵ちゃん、家に帰ってくる気はない?」
「……は?」
たっぷり5秒ほど空いただろうか。さす
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