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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン38 変幻忍者と黄昏の隠密
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もしかして信じてた?あれ、お姉ちゃんの嘘なの」
「……はい?」
「だって葵ちゃん、ああでも言わないとなかなかその気になってくれなかったでしょ?葵ちゃんがプロにどこまで近づけたのか、お姉ちゃんもいっぺん見てみたいなーと思って」

 あっけらかんと言い放つ明菜さんに、一瞬虚を突かれたといった様子の葵ちゃん。次第にその顔が、怒りのあまり赤くなってきた。

「それで姉上、最期にまだ何か言い残したことはありますか……?」
「はい、お姉ちゃん怒ってる葵ちゃんもかわいいなーって思いました!」
「姉上ーっ!やっぱり私、姉上のことは嫌いです!」
「うわーん、また葵ちゃんがいじめるー!それじゃあ、まったねー!清明君も、今度ゆっくりお茶でもしながらお話ししましょうねっ!」

 そう言うが早いが懐から何やら白い球を取り出して地面に叩き付けると、辺りが煙幕に包まれる。その煙玉の煙が晴れた時にはすでに明菜さんの姿は影も形もなく、そのかわりに明菜さんが立っていたところには何枚かのカードが置かれていた。

「1つ言い忘れてたけど、葵ちゃん。それ、私からのプレゼントだよっ!去年の誕生日はお祝いできなかったから、ちょっと時期が違うけど進級祝いも一緒にってことで、よかったら使ってねー!」

 最後に、どこからともなく明菜さんの声が響く。どうやらこの明菜さんの置き土産、黄昏の忍者シリーズは最初からそのつもりで持ってきたもののようだ。

「……まったく、姉上はこれだから」

 どうやら怒りを飲み込んだらしい葵ちゃんが、まんざらでもなさそうな表情でカードを拾い集める。あれだけの効果を持った黄昏の忍者が葵ちゃんのデッキに入るとなると……うん、これはグレイドルの力を手に入れた僕もうかうかしていられない。

「さあ、帰りましょうか先輩。もうすっかり夜ですし」
「そだね」

 来た時と同じように、2人で並んでゆっくりと歩きだす。と、ここであることを思い出した。ずっと聞いてみたいと思ったけど、行きの時は葵ちゃんの様子がアレだったからなかなか切り出せなかったのだ。

「そういえばさ葵ちゃん、いつの間に彼氏なんてできたの?」
「すみません先輩、私にもわかるような言語で説明してください」
「いや日本語だけど。だってほら、明菜さんからの手紙にも書いてあったじゃん。可愛い男の子と仲良くなってー、ってやつ。あれって誰のこと?一言ぐらい僕にも紹介してくれたっていいだろうに」

 あの手紙を見たときから、その部分については多少気になっていた。葵ちゃんのことは入学してすぐ従業員さんになってもらってからずっと仕事仕事で自由時間を押さえつけてきちゃったような気もするから、そんな相手ができたんなら全力でお祝いしてあげるぐらいのことはしてあげたい。
 そう言うと、何か小さい子
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