第五話 才能? 識見? 運? 必要なのは性格の悪さだ!
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タイン校長の配属は兵站統括部だったよね? 成績は悪かったのかな?」
「そんな事は無いよ、五番で卒業だからね」
「五番? それで兵站統括部に行ったの? 信じられないな」
「大騒ぎだったらしいよ。なんかの間違いじゃないかって」
そうだよな、僕だったら絶対宇宙艦隊か統帥本部、軍務省を選んでる。なんで閣下は兵站統括部なんかに行ったんだろう。
『アルフォンス・ネッツァー殿、貴官は帝国軍士官学校教則の課程を履修し定規の考試を経て正に其の業を卒えたり。茲に之を證す』
陛下の声が流れてきた。陛下ってこんな声なんだ。アルフォンス・ネッツァーが賞状を受け取ると陛下が“おめでとう”と声をかけネッツァーが“有難うございます”と答えた。そして短剣を受け取った。顔が紅潮している。人生最良の日だろうな。多分家族も来ている筈だ、喜んでいるに違いない。
卒業証書授与式及び御下賜品拝受式が終わると陛下、ヴァレンシュタイン校長、成績優秀者二名が席に戻った。凄いな、雛壇の来賓の方達、陛下がお戻りになられる時に深々と頭を下げている。そういえばさっき陛下が席を立つときもお辞儀してたっけ。
「次は校長式辞だ」
「どんな事を言うのかな」
うん、楽しみだ。
『校長式辞、ヴァレンシュタイン校長、式辞をお願いします』
シュミット教官が式辞をお願いするとヴァレンシュタイン校長が席を立った。あ、ミュラー提督が閣下ににこやかに話しかけている。もしかして冷やかしてるのかな、本当に仲が良いんだ。閣下が来賓の方達にお辞儀をしてそしてマイクに向かった。
『卒業おめでとう』
いつも通りの柔らかい声だった。緊張していない、凄いや。
『諸君にとって今日は本当に記念すべき日です。これからの未来に大きな希望を抱いていると思う。そこで私が諸君の未来を占ってみようと思う』
未来か、ちょっと楽しみ。皆も顔を見合わせているけど興味深々、そんな感じだ。
『帝国軍三長官に就く人間がいるか? 運が良ければ一人くらいはいるかもしれない。しかし私の教え子から帝国軍三長官が出なくても私は悲しまないし諸君も恥じる事は無い。何故なら帝国軍三長官とは才能、識見、運だけではなれないから。その他に性格の悪さというものも必要だ。これは生まれつきのものであって学校教育によって身に付くものではない』
笑い声が上がった。卒業生達だけじゃない、僕達も笑っているし雛壇の来賓の方々も笑っている。帝国軍三長官もだ。多分苦笑いかな。校長閣下は結構毒舌だ。
『次に正規艦隊司令官、これは最大で三人くらい出るかもしれない。今日この場に居られるロイエンタール提督、ワーレン提督、ビッテンフェルト提督は士官学校では同期生だった。提督達は未だ三十歳に達していない。早ければ十年後には諸君の中から正規艦隊司令
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