3部分:第三章
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第三章
「今のは完全に」
「そうなの。告白なの」
「驚いてる?やっぱり」
「驚いてるっていうか何か」
呆然としながらの返事だった。
「何が何だか」
「わからないわよね」
「ええ。何だったのかしら」
こうまで言う幸枝だった。
「今のって」
「それはそうとして幸枝」
由紀子はその中で幸枝に対して尋ねる。
「どうするの?」
「どうするのって?」
「まずはそれだけれど」
今幸枝が持っているそれを見ながら彼女に対して問うのだった。
「どうするのよ。捨てるの?」
「それはちょっと」
見れば奇麗に白い封で包まれている。それが何なのか言うまでもなかった。
「あんなに必死に手渡されたら」
「普通は捨てられないわよね」
「ええ。やっぱり」
少なくとも幸枝にとってはそうであった。
「ちょっとじゃなくてやっぱりかも」
「そうよね。じゃあ読むのね」
「一応は」
「明日だったわね」
由紀子はさっき川崎が話したその時間について言った。
「リミットは。明日の放課後」
「明日の放課後・・・・・・」
「とりあえずはそれ読むといいわ」
由紀子はまずはこう幸枝に告げた。
「まずはね」
「これを読んでから考えるのね」
「あれは絶対に本気ね」
今度は川崎の態度を思い出しながらの言葉だった。
「それも間違いなくね」
「間違いなく・・・・・・」
「一つ聞くけれど」
また幸枝に対して言ってきた。
「あんたこういう経験なかったわよね」
「ええ」
顔を真っ赤にさせていた。その真っ赤な顔で由紀子の問いに頷くのだった。こくりと。
「そんなの。とても」
「何時かは来るって思ってたけれど」
「そうだったの」
「何時かは、だけれどね」
こう前置きしてきた。
「けれど急に来るなんてね」
「川崎君って確か」
「悪い評判は聞かないわ」
隣のクラスなのでそれはある程度は聞いていたのだ。
「真面目で奇麗好きでね」
「そうなの」
「頭もいいらしいわ」
「そういえばクラスで一番だったっけ」
「あの外見でね」
同時に彼のそのいかつい外見についても話す。
「そうなのよね、実は」
「そうなの」
「性格も悪くないらしいわ」
このことも幸枝に教える。
「一途なのはまあ」
「まあ?」
「さっきのでわかるし」
ここでこうも幸枝に言った。
「それもかなりね」
「けれど何か」
「いきなり言われてまだびっくりしてるんでしょ」
幸枝の声と表情からそれを察していた。見れば本当に彼女はまだ呆然としている。その顔で由紀子に受け答えしているがどうにも要領を得ていなかったのだ。
「まだ。そうでしょ」
「まあ。それは」
「無理もないわ」
「無理ないの?」
「だって。それラブレター
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