第三話 監視? 護衛? 鬱陶しいのは変わらない
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すればそれなりの地位を持つ人物だ。貴族、将官、高級官僚、或いは中将が地上車を呼んだのか……。
ヴァレンシュタイン中将が官舎から出て来た。軍服を着ている。
「出て来たぞ、B」
「ああ、出て来た」
地上車に乗り込んだ、発進する。こちらも後を追った。見失ってはいけないが気付かれてもいけない。近付き過ぎず離れ過ぎずだ。
「Bより本部、Bより本部」
『こちら本部』
「1830、監視対象者が動いた。地上車で移動中、後を追う」
『了解、応援は要るか?』
「現状では必要ないが念のため準備は頼む」
『了解した』
Bも昂っているが本部も昂っていた。ようやく動きが出た、そう思ったのだろう。一体何処に行くのか。
中将の乗った地上車が向かったのは海鷲(ゼーアドラー)だった。
「どうする、A」
「中で誰と接触するのか、確認する必要が有るな」
「で、どっちが入る」
Bの顔が嬉しそうだ、俺は酒が飲めない、しょうがない奴だ。
「行けよ、俺は此処で待機している」
「分かった」
そう言うとBが後部座席に移り軍服に着替え始めた。
「Aより本部、応答願います」
『こちら本部』
「1845、監視対象者は海鷲(ゼーアドラー)に入った。Bが中に入り対象者を監視する」
『了解、応援が要るか?』
声が笑っている。Bが必要ないという様に手を振った。
「その必要は無い、Bだけで十分だ」
『残念だな、応援が必要な時は何時でも言ってくれ』
「了解した」
やれやれだ。皆仕事だという事を理解しているのか時々疑問になる。Bにも釘を刺しておかないと。
「B、言っておくが任務だぞ。飲み代は経費で落としても良いが飲み過ぎるなよ」
「ああ、分かってる」
本当に分かっているのか?
「一時間毎に俺に報告を入れる事を忘れるな」
「勿論だ」
Bは着替えると弾むような足取りで海鷲(ゼーアドラー)に入って行った。こんな時だけはやる気になるんだな。
『A、対象者を確認した』
Bから直ぐに連絡が来た。早い、中将を直ぐに見つけたらしい。
「状況は」
『十人以上で酒を飲んでいる。豪華な顔ぶれだ。ロイエンタール中将、ミッターマイヤー中将、ケスラー中将、……宇宙艦隊の司令官達だ。殆ど揃っている』
なるほど、ローエングラム伯が今日出撃したな。煩い上司が居なくなってヴァレンシュタイン中将と旧交を交わしているという事か。どうやらローエングラム伯とヴァレンシュタイン中将の間は思いの外に険悪らしい。そして各艦隊司令官はヴァレンシュタイン中将寄りだ。本部に報告する必要が有るな。
「B、そのまま監視を続けろ」
『了解、楽しみながら監視させてもらう』
「出来る事なら会話も録音し
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