Fate/stay night
1184話
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のが失敗だったと言ってもいいだろう。
元々俺は生身での戦闘は格闘をメインにしていた。それは、アークエネミーとして召喚された今も、その前であっても変わらない。
だからこそ手が出そうになったんだが……槍の扱いはまだまだって事か。
「良い勝負でした。ただ、やはりアークエネミーの一撃はまだ甘い……いえ、甘いと言うよりは慣れていないと言った方がいいですね」
「だろうな。それは自覚している」
お互いに距離を取りながらそう告げる。
たんぽ槍を床に置き、空間倉庫からゲイ・ボルクを取り出す。
赤で出来たかのようなその槍は見る者の魂を吸い取るかのような、そんな印象を受ける。
日本刀のように武器でありながら芸術品の域まで達したかのようにも見えるが、それでもこのゲイ・ボルクは武器である事を最大限に主張している。
「……美しいですね」
「ああ。それは同感だ」
セイバーに短く返し、ゲイ・ボルクを持って少し離れた場所へと移動する。
そうしながら、こっちの方を見ている綾子や衛宮に気が付き……
「セイバー、良ければ綾子に剣の稽古を付けてやってくれ」
「私がですか?」
「ああ。綾子の武器は……これだしな」
ゲイ・ボルクを持ったまま、もう片方の手に物干し竿を取り出す。
こちらもまた、ゲイ・ボルクには負けるが目を奪われるかのような長刀。
別にこの物干し竿は宝具という訳ではないのだが、それでも目を奪われるのは事実。
「いいでしょう。元より剣の扱いは私も得意とするところ。それに、こう言ってはなんだが綾子は筋がいい。どこまでの高みに上がる事が出来るが……」
「いいのか? なら、喜んでやらせて貰うけど」
俺達の話を聞いていた綾子が近づいてきて、どこか戸惑ったように……それでいながら嬉しさを隠さずに告げる。
まぁ、綾子の才能を考えればそれも無理はない。
こう言っては何だけど、衛宮とでは訓練にならない……とは言わないが、それでも実力に差があり過ぎるからな。
その辺を思えば、剣のサーヴァントであるセイバーに訓練を付けて貰えるというのは、綾子にとってこの上ない幸運だろう。
半サーヴァントである綾子は、この先の人生で否応なく戦いに関わっていく筈だ。
その力を狙ってくる魔術師とかもいるだろうし、綾子自身が強い正義感を持っているってのもある。
けど、何よりも綾子が騒動に巻き込まれるのを確信している理由としては、綾子が半サーヴァントになった理由だ。
行く先々でトラブルに巻き込まれまくっている俺の血を飲んで半サーヴァント化したんだから、間違いなくトラブルには愛されていると考えて間違いない。
それは確信すら抱いている事だった。
そうである以上、綾子は出来るだけ強くなっておく必要がある。
物
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