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転生とらぶる
Fate/stay night
1183話
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思う。……まぁ、結局そのせいで藤ねえはまた今日もこっちに来られなくなったんだけど」

 苦笑を浮かべつつも、衛宮の顔にはどこか後悔の色がある。
 大火災での被害者が今日まで苦しんできた事に全く気が付かなかった悔恨だろう。
 衛宮の性格を考えればおかしな話じゃないけど、気にし過ぎなような気がする。
 いや、俺がここで何を言っても衛宮は頷かないだろうから、その辺は口に出さないが。
 この件に関しては、衛宮との仲が進んでいるっぽいセイバーや桜に任せておけば大丈夫だろう。

「で、いい匂いがしてくるけど、夕食の時間か?」

 その代わり、話を逸らすようにそう尋ねる。

「ん? ああ、食事の準備は出来てるぞ。遠坂達を待ってたんだ。ほら、上がってくれ。さっさと食べよう」
「そうだな、衛宮の料理は美味いからな。実は楽しみにしてたんだ」

 話を誤魔化せたのか、あるいは衛宮が誤魔化しに乗ったのかは分からないが、とにかく美綴の言葉に笑みを浮かべて引っ込んでいく。

「さ、何はともあれ今日の目的は大体果たしたわ。後は、今日ゆっくり眠って……明日で決着を付けるわよ」

 この言葉を聞く限り、どうやら凛は明日で聖杯戦争を終わらせるつもりらしい。
 それはいいんだが……実は最大の問題って、言峰を見つけ出すとか、大聖杯をどうするかとかじゃなくて、柳洞寺に住んでいる者達をどうするかなんだよな。
 まさか馬鹿正直に今から大聖杯を破壊して、その際に柳洞寺にも大きな被害が出るかもしれないので避難して下さい……なんて、とてもじゃないけど言えないし。
 いや、それ以前に言っても信じて貰えないだろう。
 それどころか下手に信じられたりすれば、ここ最近冬木で起きている出来事と結びつけられて警察に連絡されかねない。
 きちんとした監督役がいればどうにかなったんだろうけど、その監督役がいないしな。
 だとすれば……いっそ無理矢理にでも眠らせるか? 凛の魔術を使えば、そういうのも可能だろう。
 俺の空間倉庫には、スタングレネードの類はあるけど催眠ガスとかはないんだよな。
 そもそも、相手を無力化するのなら俺が気絶させればいいだけだし。
 となると、いっそ俺が柳洞寺にいる奴等を全員気絶させる?
 ……まぁ、無理じゃないだろうけど、手間が多すぎる。
 一度全員気絶させてしまえば、運び出すのはスライムを使ってどうとでもなるから問題はないんだが……迷うな。
 そんな風に考えながら、衛宮家の居間へと到着する。
 すると、テーブルの上にはハンバーグやポテトサラダ、ビーフシチューといった豪華な料理の数々が乗っていた。

「うわ、随分と豪華な料理だな。これ、衛宮が?」

 綾子の言葉に、衛宮は首を横に振る。

「いや、これは桜だよ。洋食に関してはも
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