第二魔法
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
」
痛いところをついてくるソフィア。一瞬とはいえまずいかもとか思ってしまったけど、エルザさんがそう簡単にやられるわけないのは確かだ。今のはちょっと爆発が大きすぎて冷静さを欠いただけだと思う。
「それよりも今は自分の心配をしなよ。ソフィアは素手でもある程度は戦えるんだから」
返し魔法は相手の魔法を受け止め、さらにはそれを押し返すだけの強い筋肉と体が必要らしい。だけどソフィアの体は至って普通。シェリアとほとんど変わらないようにしか見えない。それであの魔法を使うと体が悲鳴をあげるって聞いたけどソフィアはそんな様子は一切ない。つまり、何かしらの方法で代用しているのは明らかだ。その何かを使えばある程度格闘技もできるとは思うし、今は何よりも俺のことを完全に羽交い締めにしている状態。ここから鳩尾にでもパンチされたらかなり痛いだろうし、他にも気を失わせる方法はあるだろう。
気絶もしくは戦闘不能にすることでポイントが加算されるのだからこの状況は結構ヤバイ。ソフィアが攻撃してくる前になんとかしなければ・・・
「天竜の・・・」
俺が脱出方法を頭の中で考えていると、どこからか聞き覚えのある声が聞こえてくる。
「咆哮ォ!!」
「え?きゃああああ!!」
横から吹いてきた風と共に俺にくっついていたソフィアが吹き飛ばされていく。
ソフィアは横に飛ばされ地面に1度倒れたものの、すぐに立ち上がって自分を襲ったものの方を睨む。
「ちょっと誰!?せっかくのお楽しみタイムだったのに!!」
怒りを込め、声を荒げるソフィア。俺もこの状況をなんとかしてくれた人の方を向く。
俺とソフィアが追いかけっこをしていた通路から歩いてくる小さい人影。
赤色のゴムで藍色の膝元まである長い髪をツインテールにし、ノースリーブで短めのスカートにフリルのついたワンピースを身に纏っており、首とウエスト部分に赤い蝶々結びにされたリボンを合わせていたその少女は、日焼け対策の服と同じ白いのアームカバーを腕に着けていた。
「え・・・」
幼い頃から・・・今は行方不明の俺たちの親からこの魔法を教えてもらっていた時からずっと一緒にいた少女・・・普段はかわいらしく、そして愛くるしいパッチリとした目は怒ったようにつり上がっており、離れたところにいるソフィアを見据えている。
「ソフィアさん!!シリルにそんなことしちゃダメですよ!!」
ナツさんたちと一緒にルーシィさん救出に向かったウェンディ。いるはずのない、というよりもいてはならない少女の登場に、俺とソフィア、そしてこの様子を見ていたすべての人たちの思考が一時停止した・・・
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ