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戦国御伽草子
参ノ巻
抹の恋?

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の寺の楽しい思い出が無きゃなァ。俺も協力するぜェ」



 キラッキラの笑顔で惟伎高は言った。



 こいつ、楽しんでるな…。



 あたしはジトリと惟伎高を見た。でも、まぁ、これで惟伎高の言質はとった。協力するって言ったからには、しっかりばっちり、抹に協力してもらおうじゃないの。



「で、作戦は?」



「今それを考えているところよ。なんかイイ案無い?」



「ふん、とりあえず抹も高彬もいつまでも一つ寺の下にいられる訳でもないからな、一つ部屋にぶち込んで錠でもおろしておけば勝手に仲良くなるんじゃねェか?」



「ハイ却下ー!バッカじゃないの!アホ坊主!役立たず!それで万が一抹に何かあったらどーすんのよ!?いくらカタブツの高彬だって密室で美女と一緒にされたら魔が差すかもしれないでしょ!?」



「いや?むしろそれでいいんじゃねェかァ?抹が本当に高彬のことが好きなンだったらなァ」



 いい…のか?いやダメでしょ!物事には順序というものがある!



「ダメっ!ダメよダメっ!かわいい子には旅をさせないっ!お母さんそんなこと許しませんっ!」



「じゃあどうするんだ」



「だから、別の良い案考えてってお父さん。そういう大人向けじゃなくて、初心者用のやつをひとつヨロシク」



「はァ。困ったお母さんだ」



 惟伎高はその大きな掌であたしの頭をばふんばふんと叩いた。



「何すんのよ!」



「おう叩きやすい頭だと思ってェなァ」



「あらそう」



 あたしはにっこり笑うと惟伎高の顔面に握った拳を突き出した。モチロン、当てるつもりで、よ。咄嗟に惟伎高が仰け反ったおかげで、あたしの黄金の右腕は獲物の影をとらえただけで終わる。



「うわっと!?あっぶね…何すンだァよ!」



「あら、ごめんあそばせ。殴りやすい顔だと思って」



「…暴力女」



「聞こえてるわよォ?」



「いてててて!か弱い坊主をいじめるなよォ」



「どこがか弱いのかしら。毛根?」



「どうしてそォおまえは俺の髪に暴言を吐くンだ」



「別に?有髪僧の生臭坊主が胡散臭すぎるから」



「尼君様。庵儒様に対して些か不敬では…」



 おずおずと抹が口を挟む。



「抹は優しいわね!美女に躊躇無く手刀を叩き込むような男にも慈悲の心を忘れないなんて、聖職者のカガミよ。聞いた?このクソ坊主、少しは抹を見習いなさい」



「ピィ、言いたかねェが、むしろおまえが抹を見習ったほォがいいぞォ。言葉使いとか、立ち居
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