参ノ巻
抹の恋?
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と信じてる。親不孝な娘で気苦労ばっかかけてごめんね。
あたしはゆっくりと音を立てず立ち上がった。さよなら高彬、と唇だけで呟く。
そう決めたなら、早いほうが良いに決まってる。お世話になったのに何も言わずに出て行くという不義理をするのは心苦しいけど、惟伎高や抹に会ってしまったら決心が鈍るかもしれない。身一つでこれからどうなるかもわからないけれど、兎に角まずここを出よう。後のことは、それから考えても遅くない。
あたしは障子に手をかけて、一瞬だけ髪を引かれるように立ち止まる。
後ろには、高彬が居る。懐かしい高彬が。
迷いを振り切るように一息に障子を押し開いた。その、時だった。
「瑠螺蔚さん」
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