参ノ巻
抹の恋?
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あたしは、高彬にどうやって抹を好きになって貰うか考えてみた。
多分ねー高彬は基本的に抹みたいなこういう大人しい人嫌いじゃ無いと思うんだけどなー。客観的に見て良い妻夫になりそうなんだけど・・・あれ、でも待てよ。あいつあたしが好きだったってことは自分と正反対の人が好きなのかしら・・・い、いや違う。コホン。あたしこと前田の瑠螺蔚姫はそう、抹のように物静かで一歩下がり男を立てるような心優しい姫だったから、きっと高彬はそんな抹のことも気に入るだろう。抹の性格を変えるのはきっと無理だから、そういうことにしておこう。ウム。・・・あれ、でもそういやあいつあたしのこと好きだったってことは面食いじゃないのかしら・・・いや!違う違う!オホン。前田の瑠螺蔚姫のような絶世の美女に惚れたからこそ、抹みたいな美人もきっと好きだろう。高彬は面食いで大人しい人が好きに違いないきっと。うん。
・・・なんか自分で言ってて虚しくなってきたけど。
ああ〜・・・なんかそう考えると、あたしと抹ってホンット正反対なんだよなぁ〜・・・。頭抱えたくなってきた。高彬はそもそもあたしのどこを好きだったんだろう。あたしと抹の共通項・・・性別が女、ってこと?まずいそうすると全人口の半分が当て嵌まってしまう。ほ、他になんかないかしら?黒髪…も、みんなそうだし…黒目…もみんな同じよね…なんであたしこんな普通のことしか思い浮かばないのかしら!ほ、他に、他に…。
だ、ダメだ!わからん!
…まあ、普通の人の感性を持ってすれば、美人が嫌いな男はいないから、外見はとりあえずこのままで、高彬の好みをしっかり把握してから頑張って寄せてけばいっか?
「で、高彬となんか話はしたわけ?好みとか…」
「は、話!?いえ、そんな、滅相もございません!」
「えっ、何、じゃああんた客間で何してんのよ?」
「はい。お茶をお出しして…」
「うんうん、出して出して?それからそれから?」
「下がります」
「下がるんじゃない!」
あたしは思わずツッコむ。
「そこは好機でしょ、チャ、ン、ス!今のとこ接点それしか無いのにすぐ下がってどーすんのよ!あんただって高彬と話したくないの!?」
「お、お話をお伺いしたいとは思っておりますが…」
抹はあたしの勢いに、心なしか体を引いたまま控えめに頷く。
お、凄い。誘導したことになるけど、自分から高彬と話したいって言うなんて。コノ引っ込み思案の抹が。スゴイスゴイ。
それだけ高彬のことが好きってことだよね。
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