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怪我から
4部分:第四章
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第四章

「それは」
「リハビリには体力も必要なんですよ」
 にこりと笑ってまた話す蘭流だった。
「ですから。それは」
「そうですか。娘の回復は早いんですね」
「言われなくてもすぐに回復したいわ」
 実生の強気は健在だった。
「それでまた走りたいから」
「その為にもリハビリよ」
 そして蘭流の言葉は変わらない。
「いいわね」
「はい。それじゃあ」
 こうして実生はリハビリをはじめた。蘭流はその彼女につく。しかし実生は自分が言った通りそれを一人でやるのだった。
 手すりに手をやって歩く時もだった。あくまで一人で歩く。久し振りに動かす右足は確かに辛いがそれでも我慢して身体を動かしていた。
「どう、調子は」
「いいですよ」
 本当は辛いのだが我慢してこう答える実生だった。
「全然。平気です」
「そう。平気なのね」
「はい」
 本当のことを隠して答えるのだった。
「まだいけます」
「そう。だったら今はあと一メートルだけ頑張って」
「一メートル!?」
「そうよ。あと一メートル」
 また言う蘭流だった。
「それだけやって休憩しましょう」
「まだいけます」
 顔をきついものにさせて蘭流に言い返した。
「まだ。できますけれど」
「それでもよ。今は休みましょう」
 微笑んで実生に話す蘭流だった。
「ジュース。用意してあるわよ」
「ジュースですか」
「そう、林檎のジュース」
 彼女が話に出してきたのはそれだった。
「それ用意してあるからね」
「林檎のジュースですか」
 それを聞いた実生の顔が少し変わった。何か興味深そうな顔に。
「それってひょっとして」
「勿論果汁百パーセントのね。それだけれど」
「じゃあ。いただきます」
 実生は静かに答えた。実は彼女は林檎ジュース、それも果汁百パーセントのものが大好きなのだ。それを聞いて従う気になったのである。
「ジュース。それで休憩ですね」
「そうよ。飲みながら休憩しましょう」
「わかりました。それじゃあ」
「林檎はね。すごく身体にいいのよ」
 蘭流は微笑んで最後の一メートルを進みはじめた実生に対して述べるのだった。
「ドイツじゃ医者いらずって言われる位にね」
「身体にいいのは知ってますけれど」
 林檎のことは彼女も知ってるつもりだった。
「そんなにですか」
「そうよ。それにビタミンを摂取するとね」
「はい」
 蘭流の話はさらに続くのだった。
「怪我の回復に余計にいいのよ」
「えっ、そうなんですか!?」
 これは蘭流の知らないことだった。実は今までは骨折だからカルシウムだけを摂取していればいいと思っていたのである。それで今までは牛乳ばかり飲んでいたのだ。
「ビタミンもいいって」
「ビタミンを多く摂ってるとカルシウムの吸
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