第七話 嫌〜な感じだなぁ……
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イツのどの辺が似てるんだ、どの辺が!
「まあ、性格はともかく、ズボラなところとか、ピッチングフォームは確かにお前や月島と似てるかもな」
おい、納得するなよ、東??
「それと……」
「それと?」
「あっ……いえ。性格はともかく、速くていい直球やキレのある変化球を投げるかなりいい投手……でも、胸はときめかない、ようです」
『胸はときめかない』
大久保から告げられたその言葉を聞いた俺は、昔、若葉に告げられた言葉を思い出す。
『青葉に好かれたいなら簡単よ』
「……」
『160qのストレートを投げればいい、だけなんだから』
無言になる俺の肩をポンッと叩いて。
「よし、行くか!」
東はバッターサークルに向かっていった。
東が向かった打席には既に中西が立っていた。
『さあ、二番打者を遊撃手ゴロに抑えました!
次く星秀学園の攻撃!
次は三番打者、中西です!』
実況が告げ、歓声が上がる中、中西はバットを構える。
相手の投手は捕手のサインに首を縦に振ると。
足を上げて、投球動作に入った。
左腕から放たれた白球は……。
『ス、ストライク!』
外角低めいっぱい。ストライクゾーンギリギリにストレートは決まった。
「は……速え。150キロは出てるぞ」
「ひ、左で150キロって……打てんのか? あんな球……」
チームメイト。特に下級生からそんな不安気な言葉が出る。
「制球力悪いんじゃなかったか?」
バッターサークルに向かおうとしていた赤石に問いかけるが。
「ま、月島も実際に間近で見て取ったデータじゃないからな……」
頬をぽりぽりと掻きながら、赤石は答えた。
投手を見ると、次の投球動作に入っていて。
『ボール!』
内角高めに外れた。
「ふぃー……あんなところにあのスピードでビシバシ決まったら堪らんなー」
前野監督は相手投手を見ながらそう呟いた。
「ええ。堪らないですよ……決まれば、ね」
赤石がそう呟いた瞬間。
『ス、ストライク!
三球目は内角高めに決まって、これでワンボール。ツーストライク!
追い込まれました中西!』
実況がそう告げていた。
内角は中西の苦手なコース。
どうやら相手もこちら側の弱点は知らべてあるみたいだな。
「……堪らんな」
前野監督の呟きを背に赤石はバッターサークルに向かって行く。
『これもストライク! 内角高めいっぱいの球を振らされました中西! さあ、追い込まられた星秀学園。
次の打者は……』
「大丈夫、打ちますよ。東なら……それに
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