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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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アバターの各所から軋むような異音を発生させたし、岩盤に接触した皮膚からは削岩機にかけられたような痛みが再燃する。
「ダメだ、レン!硬すぎる!」
「くッそ!たぶん狂哀の力か……厄介だなァ!」
叩きつけるように言葉を交わす合間、飛来した巨大針をどうにか逸らす。だが、ギシリという音が手のひらを通して聞こえた。
本来、レンの神装《
穿孔
(
グングニル
)
》は攻撃特化型のもの。必要以上に過剰な攻撃を受け続けていれば、外殻にガタが来るのは必然なのだ。
「レン、もうちょっと持ちこたえて!リラとミナが何か手を持ってくるはずだから!」
「それなんだけど、ホントにあの二人でどーにかなるの?心意も使えないのにさ」
「……大丈夫だよ」
攻撃を受けるたびに削られていく神装の力を感じながら、少年は聞いた。
透明な、少女の声を。
「信じよう、あの二人を」
「………………」
自然と。
唇が淡い笑みを浮かべているのに、遅れながら少年は気付いた。
その理由までは分からなかったが、それでも心が軽くなったのは分かった。
しょうがない、とレンは呟く。
巨人が体勢をもとの前傾姿勢に戻す。先刻やられた分を怒りとして噴出するかのように、各所に開けられたスリットから出る蒸気が五割増しの勢いを宿した。
マークUの背後が、陽炎のように歪む。
両腕の主砲のリチャージタイムが終了した合図だ。その証拠に、こちらを向く砲口の闇の中にちろつく昏い炎を視認する。
それを見、しかし逃げずに、少年は言う。
ただ一言、言う。
「行くよ」
「うん!」
二つの影が、疾走する。
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