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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
53 朝の到来
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「実は…昨日から熱斗と連絡が取れなくて。何かあったんじゃないかと思って…」
「あっ…あぁ。熱斗は…その…出かけた先で全線運転見合わせになって…」
「嘘、おじさんが言葉に詰まるなんて、何かあったんでしょ!?」
「落ち着いて、メイルちゃん!」
「熱斗は大丈夫なんですか!?」

メイルは気が気でなかった。
完全に冷静さを欠いている。
恐らく祐一朗同様、昨日から心配で眠れなかったクチだ。
少しヒステリック気味になっているのは、疑いようがなかったが、それは祐一朗も同じだ。
祐一朗のためにも、メイルのためにも、話をうまくまとめる必要があった。

「…桜井!」
『!?…え?』
「オレだ、伊集院炎山だ!」
『炎山…?どうしてあなたが…』
「いいか?落ち着いてよく聞け。もう隠していても仕方がない。正直に言う。光は今、政府関係の極秘機関に誤認逮捕され、自由が効かない状態だ」
『え!?熱斗が…』

炎山は会話に割って入り、現在の状況を何のオブラートに包むこともなくメイルに伝えた。
正直、今のメイルには衝撃の事実だろうが、何も分からずに想像を掻き立て、自分を追い込んでいくよりはずっといい。

「しかしオレが必ず光を開放してみせる。約束する。だからキサマは落ち着いて待っていろ」
『…炎山』
「それより、デンサンシティにネビュラに次ぐ、新たなダークチップシンジゲートが入り込んでいる。光を開放し次第、そちらに向かう」
『ダークチップ?...じゃあ、最近起こっている事件は…』
「そうだ。ダークチップ、並びに武器の売買も行う危険な連中だ。用心しろ。もしかすると後でキサマに協力を仰ぐことがあるかもしれん。端末の電源を切るな」
『…分かった』
「あと用心の為に家からは出るな。外出するなら最低限にしろ。何かあったら連絡をよこせ。オレのプリペイドの番号は後からショートメッセージで送る」
『…ありがと、炎山。心配してくれて』
「ッ、バカ。勘違いするな。光だって、キサマに心配を掛けることは望んでいないだろうからな…それにキサマに何かあっては、光に何を言われるか分からん」

そう言って炎山は電話を切った。
いつもは冷静で顔色を変えることが少ない炎山が少し顔を赤らめていた。

「変わったね、炎山くん。何というか…初めて会った時に比べて、歳相応になったというのか…丸くなったというのか」
「フッ、オレは大して変わっていませんよ」
「そうかな?」
「強いて言えば、あいつらという仲間ができたことくらいです」

炎山は少し大人の余裕を見せながら、左腕の時計を確認した。
TAG Heuer・カレラ ツインタイム、自動巻きキャリバー7を搭載し、黒文字盤に映える赤のGMT針により、ニホンとアメロッパの時刻を同時に確認できる。
炎山がオフ
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