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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
53 朝の到来
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ギア操作を残した車両は根強い人気を誇り、周囲を見渡せば、数台見受けることができる。
しかしその中でも、スカイタウンに向かう高速道路を颯爽と走り抜ける白のHONDA・NSXは周囲の注目を集めた。
ニホンモーター市場の雄、HONDAが製造したスポーツカーシリーズの中でも高い人気とV型6気筒エンジンによる高い走行性能を誇る。

「……」

そんなマシンをそれに見合った高いドライビングテクニックで操るのは、光祐一朗だった。
重要な用事があり、有給で休みを取って朝から車を走らせている。
正直なところ、熱斗が捕らえられた件で中々寝付くことができず、あまり体調は万全とはいえない。
いくら気をもんでも、状況が好転するわけではない、それならば休息をとってチャンスを待つのが得策であると、その類まれなる天才的な頭脳で理解はしていても、結局は自分も子を持つ親なのだと理解させられた。

「ん?工事?」

道路の先で中央分離帯が見るも無残に破壊され、修復工事をやっているのが目に入った。
ブレーキを踏みつつ、シフトダウンしてエンジンブレーキで速度を下げ、案内に従って工事現場を通り過ぎると、サードに入れて再び加速する。
そういえば、この道は昨日の事件の時にスターダストが逃亡に使った道でもある。
EMPで街灯が破壊され、夜間は危険な為、通行止めになるという注意書きも先程見かけた。
次の瞬間、電話が鳴った。
車内のBluetoothスピーカーにペアリングしてあるため、スイッチ1つで通話に応答する。

「はい、光」
『私です、ハートレスです』
「!?…君は…桜愛(サラ)?」
『その名前で呼ばれるのも何年ぶりでしょう?まだ覚えていてくれているとは光栄です』

電話の主はハートレスだった。
しかし口調はいつもと違い、祐一朗を目上の人間としたようなもので、物腰も柔かい感じだ。
普段のハートレスを知る者ならば、間違いなく驚いてしまう程の違いだった。

「忘れるものか。今何処だ?ニホンか?」
『用件は1つだけです』
「用件?」
『あなたが数年前に書いた『ココロネットワーク』に関する論文に関してです』
「あれがどうかしたのか?」

祐一朗はギアをフォースに入れる。
少し驚いているがハンドルを握る手つきは、心とは切り離され、機械的に動いていた。
その論文は数年前にネビュラというダークチップを製造販売するシンジゲートが引き起こした事件の後に自身が書いたもので、危険性と有用性の2つの観点から書いたものだった。
次の瞬間、電話の向こうでハートレスは本題を口にする。

『現在、一般的に使われているものではなく、かつてオラン島から採掘されたマグメタルがあれば、ココロネットワークによる精神干渉波は無効化できる。これは確かですか?』
「あっ…
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