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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
第2章・幕間:いつか其処へと至るため
episode5:私だけの魔法
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』
そう名付けたヒメノの固有能力の効果は、「自らを信頼している相手と力を共有する」というものだ。
相手がどれほど自分を信用しているかによって使える規模は変化し、心から信頼してくれるレベルになると全く同じ能力を得る程になる。
今主力にしている藍の力の出力は約60%ほど。この能力の友好度判定は結構シビアなようで、多少軽口を交えられる霊夢でも精々5%が良い所だ。それを考えると、藍がそれほど私を信頼してくれていると言う事実に頬が緩んでくる。
但し、それでも限度はある。いくら力を共有しても、能力が途切れれば無力な私が残るのみ。未だ自分だけの力では空も飛べない私では、いざ『その時』が来れば対応出来ないだろう。
では、それ以外に力をつける方法は?
そこで思い付いたのが『魔法』だ。アリス・マーガトロイドやパチュリー・ノーレッジなどの種族から魔法使いの者も居るが、目の前の霧雨魔理沙や、聖白蓮等の職業が魔法使いの者も居る。後者は人間を止めるぞーーッ!ジョ○ョーーッ!しているが。
神力を使った術も考えはしたが、純粋な神となると
神奈子様
(
軍神
)
とか
諏訪子様
(
祟り神の頂点
)
に会いに行かないといけない。当然その二人が住む神社は妖怪の山にあり、文の言いつけで妖怪の山には入らないよう言われている。生憎私には、霊夢や魔理沙のように妖怪の山を敵に回すような度胸も実力も無い。
故の魔法だ。ならば最も距離の近い魔理沙に頼る他無いだろう。
「ふーむ、まあいいぜ。教えてやる。つっても、使える魔属法にもよるけどな。……魔属法は知ってるか?」
「魔属法?」
「まあそりゃ知らないわな。魔法使い以外は気にも留めないようなもんだし。簡単に解説すると、いわば属性とか、性質みたいなもんだ。錬金とか、炎生成とか、魔力放出とか」
ふむ。Fateシリーズでいう魔術属性やら起源やらみたいなものか。こういうのがすんなり頭に入るんだから、Fate知ってて良かったとつくづく思う。アレかっこいいしね。投影魔法とかあったら絶対習得する。
「ま、その前に魔力計測だ。取り敢えず立ち話もなんだし入れよ。中で測るから」
「あ、そういやそうだね。分かった。」
思えばずっと魔理沙の家の玄関まで立ちっぱなしだ。何処かに座った方がいいだろう。
「なんか飲むか?まあ全部アリスから借りてるやつなんだが」
「借りる(盗む)ですねわかりたくありません」
「お前は何を言ってるんだ?あと盗んでるんじゃない、死ぬまで借りてるだけだ。許可は知らんが」
「それを世間一般では盗むって言うんや……」
魔理沙に指摘しつつ、適当なボロボロの椅子に腰掛ける。ギシギシ言ってるのはボロいからだ。決して私が重い訳ではない。OK? OK(ズドン)
「ほい」
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