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逆さの砂時計
オペラセリアのエピローグ 2
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も何にでも、なったらなったでその道に沿う生き方をすれば良いだけです。悩むのなら進み方に。有意義な時間を選びましょう」

 状況を正しく認識して、先へと進む原動力に変える。
 後悔するなとは言わないけど。
 そればかりじゃ抜け出せない何かが、人生にはたくさん溢れてる。
 過去は抱えて、未来を改良していくしかないんだ。

「うらやましい……貴女の強さが、私にもあれば……」
「自分を強いとは思いませんが……『羨望』は確かな目標、糸になります。獲た糸を頼りに歩けば良い。一歩進めば、それが貴女の強さです」

 踏み出すのはどんな時だって怖い。
 が、進まないと何も始まらない。
 だから、どんなに細い糸でも、掴んだら進め。
 そして、自分の足で歩いていけ。

 ですよね、師範。

「……はい。ありがとうございます」

 アリアの微笑みも、いつかはもっと、力強く綺麗に咲くだろう。
 すべては、これからの彼女達次第だ。

「フィレスさん」
「はい。……え?」

 振り向いたら突然、クロスツェルさんに頭を下げられてしまった。

「貴女にご協力いただけたおかげで、アリアやロザリアと再会できました。ありがとうございます」
「ああ。いえ、もう一度会えて良かったですね」
「はい」

 上げた顔は、本当に嬉しそうだ。
 うん。
 ここまで露骨だと、私も気分が良い。

「お幸せに」

 余計なお世話だと分かっていても。
 こんなにまで幸せそうにニコニコされてしまえば、言いたくもなる。
 クロスツェルさんとアリアは顔を見合わせ……
 あ。アリアのほうがちょっと困惑気味。
 二人共いろいろ抱えているし、仕方ないのかな。
 しかも、ロザリアさんを追いかけてきたのは

「……って、そういえば、さっきからベゼドラさんが戻ってきませんね? まさか、異空間に置き去りとかでは」

 きょろきょろと辺りを見渡してみるが。
 やはり、あの目立つ黒い容姿はどこにもない。
 廃墟と化した神殿の中心に居るのは、マリアさんとリースさんとティー、私とクロスツェルさんとアリアだ。
 異空間から出る前に姿を消したのは見ていたけれど。
 大丈夫なのだろうか?

「彼は今ロザリアが張った結界の中に居ます。もう少し落ち着いてくれたら話しにいこうと思っていたのだけど……ずっと、草を(むし)っているの」
「………………そうですか」

 私も行った、あの場所かな?
 陽光に満ちた、穏やかな風が吹く草原で。
 イライラを隠さず、ひたすら草を(むし)り続けるベゼドラさんの後ろ姿。
 容易く想像できてしまったのは何故だろう。

「そろそろ限界だと思うから、行ってきます。クロスツェルは」
「ここで待っています。二
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