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DQ5〜友と絆と男と女  (リュカ伝その1)
17.真実は常に一つ。しかし、それを見る目は複数ある。
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私の身体が自由になった。
すぐさまスラッシュと共に男より離れ、壁際でスラッシュの後ろに隠れつつ剣を男らに向ける。

「何すんの?ヘンリー!折角………」
「うるさい!黙れ!俺の目の前で女性へのセクハラは許さん!」
どうやら仲間の方は…ヘンリーと呼ばれている方はまともな様だ。
「申し訳ない。もう、こいつにはセクハラはさせない。だから取りあえず戦うのを止めて、俺達の話を聞いて欲しいんだ。頼む!」
ヘンリーと呼ばれる男は真剣な眼差しで語りかけてきた。

「…取りあえず…一時休戦だ!だが、まだ信用した訳では無い!」
「それで構わない。こっちへ近づかなくてもいい。この場で話をしよう。まずは自己紹介から。俺はヘンリー。で、こっちの最悪最低な男がリュカ。君の名は?」
「私はピエール」
夜中の地下通路で、ぎこちない会話が始まった。

ピエールSIDE END



<ラインハット城地下通路>
ヘンリーSIDE

俺達は互いの事情を話し、ある程度の理解をし合う事ができた。
彼女の名はピエール。
そしてスライムの方はスラッシュ。
無論スライムの方はモンスターだが、彼女の方はホビット族だ。

彼女が以前、暮らしお世話になっていた村が税金を払わなかったと言う理由で太后に滅ぼされた。
そして、怒り狂った彼女は太后を殺害すべく城に忍び込んだという事だ。
「なるほど、あなたが10年前行方不明になられたヘンリー様でしたか。知らぬ事とはいえ大変失礼致しました」
「いや、それは構わないさ」

「しかし、この男は何なんです!?私は、この男は許せない!先程の行為の事だけは許せない!他の事は認めます。彼の村も滅ぼされた事や、奴隷になっていた事は…しかし、先程の行為は常軌を逸している!」
「確かに、やりすぎの感はあった。心からお詫びを申し上げさせてもらうし、こいつにも謝罪させる。おら!謝れ!馬鹿者!」
「あー、ごめんね!久しく美少女に触れたもんだから、ついやりすぎました。本当にごめんなさい」
「くっ!しかし…」
リュカの軽い口調に、ピエールの怒りが再発する…

「だが、やりすぎた事については悪かったが、やった事については正しかったと思っている」
「な!?貴方まで非常識な事を…」
「いや、非常識なのは俺じゃない。先程までの君だ。ピエール!」
「わ、私を愚弄する気か!」
ピエールは剣を構え身を乗り出した。

「落ち着け!今は話し合いをするのだろう!それとも、騎士であるのに君は嘘を吐いているという事か!?」
「…いや、失礼した…話を聞こう!」
「先程の君は怒りで話を聞かない状態だった。俺も太后の縁者であると言ってしまったのがいけなかったが」
「うっ…確かに…」

「こいつと…リュカと戦って分かっただろうが、君では…
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