4話『復讐者と堕天使《決着》』
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お前らの居場所に帰るなりすきにしろ」
なぜ、俺は堕天使にこんなことを言っている?
殺そうと思っていた筈だ。
その俺がなぜ、殺さない。
「………私達に居場所なんてあるわけがないでしょ」
俺がそんなことを考えていると、黒髪の堕天使がそう言った。
「………コカビエル様に捨て駒にされた私達が、今さら戻ったところで殺されるだけ!」
「……捨て駒」
「そうよ!コカビエル様に言われて、アーシアから神器を奪ったのに、ここがグレモリーの領地であることを知らされていなかったのよ!?最初から利用されていたのよ!」
そう言った黒髪の堕天使は泣いていた。
………堕天使でも、泣くのか。
そんな堕天使を見ていると、昔父さんとの約束を思い出してしまった。
(修弥。もし、誰かが泣いていたり、困っていたりしたら、助けてやるんだ。例え、それがどんなものであってもだ。約束できるか?)
俺はその時、確かに言った。
約束するって。
……今からやることは、父さんとの約束だ。
今回限り、堕天使を………
「……お前らの居場所がないのなら、ここにいろ」
「……え?」
泣いていた堕天使が、俺の言葉を聞いて止まった。
当然だ。
俺だってこんなことを言うとは、思っていなかった。
「お前らが居場所を見つけるまで、ここがお前らの居場所だ」
「……いいんっすか?」
「……私達が憎いんじゃないの?」
「あぁ、お前らが憎い。殺したいぐらいにな!………でも、困ってる奴を助けるって、約束しちまったんだよ」
「………クスッ、なによ、それ」
「お前らがここにいたくないと言うなら、べつにいい。俺は追いかけはしない」
……本当に俺は甘いことを言っているな。
「……ウチ等がここを出ていったとしても、グレモリー達に殺されるのがわかっているっすよ」
「でも、それはここにいても同じこと………」
「別に、グレモリーがここに来ても何も変わらない。俺がグレモリーを殺すってことはな」
俺がそう言うと、二人の堕天使は目を丸くさせている。
「……そうすっね。ウチはここに残るっす」
「ミッテルト………。私も、ここに残るわ」
「………そうか」
これで、いいのか?
父さん。
でも、父さんの仇である堕天使を救うなんて、俺はどうしちまったんだ。
「お前らがここにいるのは自由だが、少しは俺に協力してもらうぞ」
「「かまわないわ(っすよ)」」
ありえない結果だが、堕天使との決着は着いた。
仇の名は堕天使がコカビエル。
悪魔の方はまだ不明だが、いずれは俺がこの手で殺す。
今回は堕天使を救うイレギュラーがあったが、
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